「熔け死んじまうぜ?」

 撃ち込まれる三発の火球。

 ドラコは脱兎の如くその場から逃げ出していたが――


 フレーシャの撃ち込んだ火球の爆発による爆風に吹き飛ばされてしまう。

 背中から壁に叩き付けられるドラコ。

「いつつ!」

「チェックメイト♪」

 地に着地した彼女はすでにこちらに砲口を向けて、すでに勝利を確信に笑っていた。

「やっぱりお前はあの【盾】の坊やが居ないとダメダメだな……」蔑みに見下ろす視線を送りながら話す。「てめえ如きにこの右腕を斬り落とされた時は、ひどくお前を恨んだもんだよ……だがそれも今となっちゃあ、ちょっとは感謝してるんだぜ?この〝義手〟で私はより強くなった!腕力も、魔法力もな?だからこれは――」


 砲口が光り、砲身が熱で赤く光る。


「お礼に撃ち込む〝トドメの一撃〟ってやつさ♪」

『まずい!撃たれるぞ!?』

「ドラコ!!」ジャレは叫び、助けに駆けつけようと――

「!!?」降り注がれる殺気と気配に顔をあげれば――


 マントの裾が風圧で靡かせつつもフードは外れる事はなく、その素顔は隠れたままの――【暴風の巨人】――と操る大剣がこの陰鬱な夜空から降ってくる。


 飛び退くジャレ。

『もし、当たっておったらひとたまりもなかったな……』

 自分の身の骨骨ほねぼねが砕け、内臓が辺りに飛び散る姿が想像できた。

「行かせない。【竜眼】も…貴方も…ここで死ぬ」


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