第152話 岬 麗美《レミ》

 墓石には『岬家乃墓』と刻まれてあった。



「えェ……😲💦💦💦 お母さんが……」

 さすがにロリータも神妙な面持おももちだ。

 


 やっと長梅雨が明けたのを祝福するように五月蝿うるさいほどのセミの声が、四方八方から響いてくる。

 


 僕は墓石の前にしゃがみ込んで花を供え、両手を合わせた。


「ンゥ……😔💦💦💦」

 それを見て、ロリータも真似するように神妙な表情を浮かべ手を合わせる。


「ふゥ~……😔💦💦」

 気持ちを落ち着かせようと、ゆっくり深呼吸をした。



「お母さん…… ゴメンねぇ。どれくらいぶりだろう……。あんまり来られなくて。

 今日は報告があるんだ」

 消え入りそうな声で呟いた。



「僕の彼女…… ロリータだよ」

 優しく隣りに座った美少女の頭を撫でた。


「……😔💦💦」

 ワケも解らずロリータは、ペコリと頭を下げた。


 フワリと流麗なピンクゴールドのツインテールが揺れる。




「僕のお母さんは……😔💦💦

 岬 麗美レミッて言うんだ」

 

 

「え……😲💦💦 レ、麗美レミ……」

 思わず、ロリータもビックリして僕の顔を見つめ返した。



「ああ……」僕は小さく頷いた。そうだ。

 『岬 麗美レミ』……。




 それが僕の母親の名前だ。








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