第137話 パンツを持って

「ううゥ……😔💦💦」

 手に取るとナゼか、無性に悲しくなり涙が滲んできた。



「ふン……、何をパンツを持って泣いているんだよ。フフ……😏✨✨ 泣くほど感激してんのか? ド変態ロリコン野郎が❗❗」

 部屋の外で麗香が僕をバカにして嘲笑あざわらった。



「いえ……、べ、別に…… 僕は、変な意味で泣いていたワケじゃないですよ」

 慌てて、そのボロボロのパンツを小さなリュックに詰め込んだ。



 今度、買い物に出掛けたら新しいパンツを買ってあげよう。

 綺麗なもっと上等で可愛らしいパンツを。 



 ふと、テーブルの下を覗くと安物の雑記帳ノートが置いてあった。



「ン……」

 手に取り、ペラペラと中のページを捲ってみた。



「あ❗❗ これは……」

 下手な字で『あいしてる』と書いてあった。


 しかし『る』の字が何となく可笑しかった。



「フフ…… これじゃ、『あいしてる』じゃないだろ……『あいして3』に見えるじゃン……」

 最初は可笑しかったが、徐々にナゼか、悲しくなってきた。


 

「ッたく…… 下手な字だな」

 ロリータの下手な『ひらがな』の字を見ていると鼻の奥がツーンとして涙が込み上げてくる。



「フゥン……、また何を泣いてンだよ……

 そんな下手くそなイタズラ書きを見て❗❗

 あんた、可笑しいンじゃないの……❓❓」

 また姉の麗香はバカにしてあざ笑った。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る