第100話

「まさか、僕は虐待なんかしてませんよ」

 すぐさま首を横に振った。


「で、でも…… なんでェ……❓❓」

 僕の問いに、アリスは綺麗に揃えられた眉をひそめた。



『多重人格の大きな原因のは肉親による虐待なんだよ』

 アリスは僕の耳元でささやいた。


「え、虐待……」

 僕たちはまるで別れを惜しむ恋人のように抱きあったままだ。



 知らぬ間に心拍数が急上昇していった。

 下半身も密着し濃厚接触中だ。

 当然のように硬くなっていた。 



「ううゥ……😳💦💦💦」そうか。

 言われてみれば、身近な僕に何かされたと考えるのが妥当だろう。



 だから、肉親の僕が虐待したと思っても仕方がない。



 そう言えば、ロリータに初めて雨の公園で会った時はスゴく慳貪けんどんな感じがした。



 表情も硬く、他人を寄せ付けないオーラを放っていた。

 典型的な『ボッチ』だった。  



 しかし知り合ってすぐ妖艶で馴れ馴れしくなった。



 まるで、別人のように淫乱美少女ビッチに……。




 確かに、【ダブルフェイス】……

 二重人格なら、あの時の事も説明がつく。




『あの子を地獄から救出たすけられるのは、トロロォ……

 だよ❗❗』



「えェ……❓❓」僕だけ……。

 ロリータを地獄から救出できるのは……。



 あり得ない。


 それほど僕はだいそれたモノではないはずだ。




「フフ……✨👄✨✨ じゃァ~…、また後で連絡するわねぇ…… チュッ」

 軽く挨拶程度のキスをした。



 ドキッとして思わず顔が真っ赤になった。

「ハ、ハイ……😳💦💦」

 声を震わせて頷くと、アリスは屋敷を後にした。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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