第97話

 ようやく雨は止んだようだ。

 


 だが、夜更けになっても蒸し暑い。

 何もしなくても汗ばんで、気が滅入ってくる。


 エアコンがなければなりそうだ。



 リビングで、僕はソファに座りテレビを見てくつろいでいた。


 すぐ横にはロリータが座ってジュースを飲んでいる。


 仄かに甘く爽やかなシャンプーの香りが漂ってきた。

 このままギュッと抱きしめたくなった。



 そこへ颯爽とアリスが現れた。



 彼女は着替えて、どこかへ出掛けるみたいだ。


「悪いけど、私…… ちょっと出掛けるわ」

 


「はァ~…、そ、そうですか」

 

「行ってらっしゃいィ~…👋😃✨」

 ロリータは明るく挨拶をした。



「トロロォ~…… これ、玄関へ運んで」

 アリスがアゴで僕を招いた。

 どうやら足元に置かれた荷物を運ばせるようだ。



「ハ、ハイ…… トロロォ~じゃなくって、明日朗トモローですが……」

 僕は荷物運ポーターじゃないンだけど……。


 文句を言いたいが、聞き入れるようなアリスではない。


 渋々、荷物を受け取り玄関へ向かった。

 


「ねぇ……、トロロォ~…😆🎶✨」

 突然、玄関でアリスに抱きつかれた。



「えェ~ー……😲💦💦💦」




∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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