第69話

 母親に買って貰った最後のトレーニング ウェアだ。



 あの頃、僕はちょうど反抗期真っ盛りだった。


 今となっては何が原因だったのか、思い出せないが、些細なことでケンカをし、ずっと母親を無視していた。



 新しく買って貰ったトレーニングウェアの柄か、何かが気に食わなかったのだろう。



 せっかく買ってくれたのに『ありがとう』も言わずテーブルの上に置きっ放しにした。


 そのうち礼を言えば良いと考えていた。



 しかしその翌日、なんの前触れもなく母親は倒れてしまった。



 もしかしたら体調が悪かったのに反抗していた僕は、その予兆サインを見逃していたのかも知れない。



 まさか、そのまま母親が帰らぬ人になろうとは思いもしなかった。


 


 どうして、あの日、母親に『ありがとう』のひとことが言えなかったのだろう。



 今でも、悔いが残っている。

 



 リビングのソファで僕が、うなれて座っていると目の前でロリータがゆっくりと、コスチュームを脱いでいった。


 あと少しでオッパイが見えそうだ。


「わァ~…😲💦💦💦」

 ようやく気づいた僕は驚きのあまり叫んだ。



「なァ~……、ロリータァ~…😲💦💦💦

 どこで脱いでいるンだよォ~…❗❗❗」

 僕の目の前で可愛らしいオッパイを見せるつもりなのか。



「えェ……😲💦💦 何よ。お兄ちゃん……❗

 急に、大きな声を出してェ……❗❗」

 ロリータはキョトンとして僕を見つめた。


 






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