第66話 代役

「ううゥ……😔💦💦💦」

 いきなり単刀直入に核心をつかれ、小さく呻いた。



 ロリータの言う通り間違いない。


 確かに僕は心の何処どこかで、イメージの似ているロリータに代役わりを演じて欲しいと願っていた。



 二度とカレンが戻って来ないのなら、イメージの似たアイドルに、同じコスプレをさせれば擬似体験が出来る。



 そのためロリータに、カレンのレプリカのコスチュームを着させた。



 もちろん他に女子の着替えが無かった事もあるが、ロリータにカレンを演じて貰いたい気持ちも少なからずあった。


 そのためにカレンが歌って踊るライブイベントの画像を観て貰ったのだ。



 

「ロリータは、ロリータだから……

 この子…… カレンとは違うわ❗❗」

 睨むようにテレビモニターに映るカレンをアゴで差した。


 怒っているのか、かすかに瞳が潤んでいた。



「うゥ……、うん……」それは解っている。

 頷く以外ない。



 好きなアイドルの代役では、ロリータのプライドを傷つけることになるだろう。



「ゴメンよ…… 僕の我が儘だったねぇ」

 やはりロリータにカレンの代わりをさせるのは無理みたいだ。



『🎵🎶✨LaLaLaLa……🎶✨🎶🎵』

 テレビでは、また始めからカレンがデビュー曲を歌い踊っていた。



「ふゥ~~……😔💦💦💦」

 仕方がない。

 これ以上、ロリータにカレンの画像を観て貰っても無意味だ。



 諦めて、いったんディスクを停止させよう。



 リモコンを手に取り停止ボタンを押そうとした。






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