第65話

 リビングの大型テレビで、ロリータに本城 カレンのデビューイベントのライブ映像を観て貰った。



「ねぇ、ロリータ…… どうだった……

 カレンのライブイベントを観て」

 ひと段落つき、僕は彼女に感想を訊いた。


「……😔💦💦」ロリータは静かにうつ向いた。


 僕はもう一度、最初から再生を始めた。



「ロリータは、ダンスが好きなんだろォ😆🎶✨」

 雨の中、屋敷の前でクルクルとダンスを踊っていた。

 


「ン……😔💦💦」

 ロリータは、少し考えているみたいだ。

「お兄ちゃん……」

 明らかに不機嫌な顔だ。


 何か、文句があるのだろうか。



「何…… あんまり気に食わない❓」

 用心して訊いた。



「だって…… お兄ちゃん、今でもこの子の事が好きなんでしょ……」

 モニターに映る本城カレンを睨んだ。

 おそらくジェラシーからなのだろう。



「えェ……❓ うん、まァ……

 そりゃァ~……、好きだけど」

 亡くなったからと言って、本城 カレンの存在を無かったことには出来ない。


 僕の大事な【青春の1ページ】だ。

 今でも彼女の事が好きなことにいつわりはない。



「じゃァ、ロリちゃんはこの子のこと……

 嫌い……😒💦💦💦」

 唇を尖らせ、そっぽを向いた。


 

「どうして…… 僕が好きだから……❓

 嫌いなの!!」



「そ、お兄ちゃんはロリちゃんだけのモノだから……」


「うゥ~ン…… そうか。もうカレンは……

 この世に居ないのに……」

 


「関係ないわ。お兄ちゃんの心の中は……、このカレンッて子が占めているんでしょ」

 


「え……、なるほど……」

 確かに、もう二度とカレンには会えないと解っていても心の何処どこかで彼女を探していた。



「お兄ちゃんは、をこの子の代役わりにしたいの……」


 

「ううゥ……😓💦💦💦」

 いきなり単刀直入に、核心をつかれ小さく呻いた。






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