第54話 チューしよう

 家族の間に何かわだかまりのようなモノがあるのだろうか。


 


 夕方になり、少しだけ小雨になったみたいだ。

 霧のように細かい雨が降り続いていた。




 ソファに寝転がっていると、ロリータが上からのし掛かって、僕の顔を覗き込んだ。


「ねぇ、ねぇ、お兄ちゃん……✨👄✨✨」

 あやしく微笑んだ。

 眼差しがいろッぽく濡れている。


 甘い吐息が僕の鼻孔をくすぐった。




「え……、な、なんだよ……😳💦💦💦

 ちょっと顔が近いだろォ~……💦💦」

 今にも唇がくっつきそうな距離だ。

 思わず、心臓がドキッとした。

 

「お兄ちゃん……✨👄✨ 教えてェ……」


「えェ……😔💦💦」

 このままだとキスしそうなので、少しだけ顔をせた。


「教えてよォ~ー✨👄✨✨💕」


「な、教えてッて……、何を」

 しっかり訊いておかないと……。


 またさっきのように、期待させておいて『ゲーム』を教えてなどと言われたらガッカリだ。




「ン……ッとねぇ。

 チューッて、どんな味なのォ~✨👄🎶✨」



「えェ……😲💦💦 チュッ、チューッ❓❓」

 いきなりなんだろう。焦ってしまった。



「うン…… お兄ちゃん、チューのやり方、知ってるゥ……😳✨✨」

 仄かに頬を紅く染めて訊いた。


「ううゥ……😳💦💦 チューのやり方……

 ま、まァ、チューくらい知ってるけど」

 思わず、見栄みえを張ってしまった。

 本当はキスなどした事はない。



「ウソ…… だって、お兄ちゃん

 童貞チェリーボーイだから、まだチューもした事ないンでしょ……✨😌✨✨」

 少しバカにしたように微笑んだ。


「うゥ…… いや、別にィ……

 僕は、童貞じゃないし、チューくらい……

 毎日してたよ……😅💦💦」

 ロリータに小バカにされたので、つい強がりを言ってしまった。



 もちろん僕は童貞だし、チューをした経験もない。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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