第45話 育成型アイドル

「えェ…… お兄ちゃんの前で……😓💦💦」

 ロリータは少し困惑した表情を浮かべた。



「ああ…、頼むよ。生でもう一度……😔💦💦

 もう一度だけのダンスを見てみたいンだ……🙏💦💦💦」

 必死に拝み倒した。


 映像としては、いくつもの画像が残っているが、もう一度、あの興奮をたい。



 本城カレンにしても決して初めからダンスは上手くなかった。

 だが、ひた向きにダンスを踊る情熱だけは観ている僕らにも伝わってきた。


 健気けなげにダンスを踊る姿を見て胸が熱くなった。


 だから僕らオーディエンスは、ずっと本城カレンを応援し支えてきたのだ。



 そう言った意味でも、カレンは僕らファンと共に成長していく育成型アイドルだったと言える。


 あのダンスをロリータが踊ってくれれば、最高だ。


「わかったわ……✨😌✨✨ お兄ちゃんは、ロリータが汗だくになってダンスを踊る姿を思い出して、深夜の『ソロ活動のオカズ』にするンでしょォ~ー……✨✨💕💕」

 ニコニコと微笑んで飛んでもない発言をした。


「あのねェ…… しねェ~よ……

 『ソロ活動のオカズ』になんかァ~❗❗」



「ン…、しょうがない お兄ちゃんだなァ。

 ロリータは、そう言うの大丈夫なタイプの美少女だから✨😆🎶✨」



「どんなタイプだよォ~……❗❗」

 『深夜のオカズ』にしても良いのだろうか。



「だって、お兄ちゃんは彼女も居ない童貞チェリーボーイだから、暇潰しにやることと言ったら、『深夜のソロ活動』だけでしょ❗❗」


 

「どんな暇潰しだよ❗❗

 何で、大好きだったアイドルが亡くなったセンチメンタルな想い出話しが、『深夜のソロ活動』のオカズにするとか言うしもネタになるんだ」

 まったくロリータと話していると頭が痛い……。



『グゥ~……😳💦💦』

 その時、ロリータのお腹の虫が鳴いた。


「え……」なんとも拍子抜けした気分だ。


「あ、ロリちゃん🎶✨ おなかっちゃッたァ~😅🎶✨」

 美少女は照れ笑いを浮かべ誤魔化した。



「お、お腹ァ~…… ああ…… そう言えばスーパーで弁当も買ってきたんだ」

 レジ袋から弁当を取り出した。



 シャケ弁当とカラげ弁当だ。


「ほら、どっちか、好きな方を食べろよ」

 ロリータの前に二つの弁当を並べて選ばせた。





∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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