第44話 

「お兄ちゃん……」かすかに呻いた。


「ううゥ…、ありがとう……😢💦💦」

 思わず、声が震えてしまった。


 なんとか我慢しようとしたが、目から涙があふれて頬を伝っていく。



「ねぇ~……、なんで泣いてるの…… 

 お兄ちゃん❓」

 心配そうな顔でロリータが声を掛けてきた。



「えェ…… いや」

 一瞬、戸惑ったが首を横に振った。 


「どっか痛いのォ~……」

「べ、別に…… 痛いから泣いているんじゃないよ……😢💦💦」

 だが、強がりなのは明らかだ。


 こらえようとしても目から涙がこぼれてしまった。


「どうしたのォ~……」

 またロリータが心配してたずねた。


「な、何でもないんだ……」

 誤魔化すため、さらにギュッと力を込めてロリータを抱きしめた。



「あァ~ン❗❗ 痛いよォ~……😣💦💦💦

 お兄ちゃん」

 


「あ、そうか。ゴメンよ……」

 すぐさま謝って力をゆるめた。


 華奢なロリータには力を込め過ぎたのかもしれない。



「ン…、乱暴にしちゃ、ヤダァ~……✨✨

 もっと優しくしてェ……✨✨💕」



「あ、ああ…、悪い……。ロリータが…… ちょっと、僕の大好きだったアイドルに似てたから……」

 言い訳がましく謝った。


「ブゥ~~ー……😠💦💦 何よォ~ー❗❗

 大好きだったアイドルッてェ……」

 しかし今の言い訳を聞いて、機嫌をそこねたようだ。



「いや、そんなに怒るなよ……😓💦💦💦 

 そのアイドルは、もう亡くなったんだ」


「えェ……❓❓ 亡くなったの……」

 


「ああ…… 本城カレンッて、アイドルなんだけど……

 ストーカーに傷つけられて去年、自ら…」


「そう…… ゴメンねぇ。お兄ちゃん」

「いや、ロリータが謝ることじゃないよ」


「ロリちゃんは、お兄ちゃんの好きだった そのアイドルに似ているの❓❓」 



「うん…… このコスチュームは、カレンがデビューの時に着ていた衣裳のレプリカなんだ」


「ふゥ~ン……😔💦💦」

 クルッとターンして自分の着ている衣裳を見回した。



「いつか、このコスチュームを着て僕の前で思いっきり踊って欲しい❗❗」



「え……、これを着て、お兄ちゃんの前で」



「ああ……」

 僕は笑顔で頷いた。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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