第43話 そこに恋愛を足す
「好きだ。」
「嫌いです。」
恋愛の結論はこれしかない。
「私にどうしろという?」
クソッ!? なぜだ!? 文字を入力すると赤線が出る!? 検索して消し方を実行しても消えない!? 目に悪いぞ!? アホか! ウインドウズ!
「消せた!」
「理由は分かってしまえば簡単。検索の対処法で多いのがオーソドックスな赤線の停戦の消し方。二番目がウインドウズの更新による「スペルチャック」のズレ。日本語なのに、英語になっていた。だから誤線として赤線が表記されていた。」
「要するに1番目がダメで諦めずに、2番目の問題解決策にたどり着けるかどうかた。」
「これだけでも名探偵コナンより面白い推理ゲーム小説だぜ。」
「アハッ!」
「でも思考したので疲れたのは事実。真実を見つけるのはしんどい、疲れる。」
「ええ~っと、何を書いていたんだろう?」
「「絶対! ほっこり! 縁側部! オチでじんわりさせます。」にありきたりの部活内恋愛を入れると。」
「もちろん恋愛の対象は真理亜お姉ちゃん。相手は・・・・・・魔物か、ロボットね。」
「なんでやねん!?」
「だっておバカなお姉ちゃんに恋する人間はいないでしょう。」
「イケメン! イケメン以外はダメ!」
「お姉ちゃんなんかに恋するイケメンはいないでしょ。」
「いるわよ! どこかに私を愛するイケメンが!」
「つけ麺の間違いよ。アハッ!」
ちはやふる的な無駄に美人、無駄美人。
「お姉ちゃんは残念なおバカ美人ね。」
「いや~それほどでも。」
「褒めてない。」
「褒めていなくても、私が美人だと認められたのだ!」
「そも調子だと、変なアイドルスカウトに引っかかって風俗で体を売ることになるわよ。」
「アハッ!」
否定はできないので笑って誤魔化す真理亜。
「縁側部の内容はできている。後は男キャラクターの創作だけだ。」
「本当に縁側部の創作はできているの?」
「一日一善。そのためには手段は選ばない。空想の世界で剣と魔法、化学兵器、なんでもありの殺し合い。」
「それでいいのか?」
「いいのよ。冒頭は縁側でお茶を飲んでほっこりしているシーンから始まる。そして困っている人が現れる。それを解決しようとドタバタする。でも縁側でお茶を飲んでいたら問題を解決。オチとしてじんわりするのだ。」
「恐ろしい!? おバカなお姉ちゃんのどこに、こんな優秀な脳みそが!?」
「私は楓と同じ血が流れているんだからね。アハッ!」
「否定できないのが悔しい。」
これでも真理亜と楓は姉妹であった。
「私なら、こうするわ。まず縁側部といのを失くす!」
「なんですと!?」
「絶対に将来的に縁側部に縛られるわよ。」
「いいじゃん。ネタに困るから縁側部で逃げ切ろうよ。」
「ほっこりするなら、ゆるキャラや、雪のかまくらでも、ほっこりするでしょ。」
「アハッ!」
笑って誤魔化す真理亜。
「次に良いことをする時のお姉ちゃんの決めゼリフが、「ビームライフル持って来い!」そんなものはありません。「私のビームサーベルはどこだ!?」現代劇にビームサーベルはありません。「こうなったら超能力だ! 私のサイキックの恐ろしさを思い知らせてやる!」この世に超能力なんか存在しません。「くらえ! 我が極大魔法! 真理亜の名において命じる! エンドレス・ファイア!」もちろん魔法なんて出ませんよ。って感じ。」
「こんな恥ずかしいめに私をあわせようというのか!? なんて恐ろしい妹なんだ!?」
「これも全てお姉ちゃんのためを思ってするのよ。」
「わたしのことを!? てっきり楓には頼りないお姉ちゃんで嫌がられていたと思ったのに・・・・・・そんなにも私のことを思ってくれていただなんて!?」
じんわり、シクシクと涙を流し感情が高まった真理亜。
「単純おバカ。」
実際のところ、楓は真理亜に感謝などしていない。
「さあ、お家に帰ろう。温かいシチューが待っているぞ。」
「やったー! シチュー!」
「明日の朝ごはんは何かな?」
「まだ夕飯を食べてないでしょ。お姉ちゃんの食いしん坊。」
「アハッ!」
これで物語の一日が終わる。
「マジか!? ほっこりとじんわりの詰め合わせではないか!?」
「マジよ! ほっこりとじんわりが溢れているのよ。」
ほっこり、じんわりがテーマだから間違いではない。
「ほっこりは一瞬でもできるけど、じんわりは伏線があり、思いが募らなければいけない。」
「奥の手としては、じんわりの短縮という方法がある。」
「じんわりの短縮?」
「テレビを見て、じんわりと涙を流す。何を見ているかと言うと、原辰徳の引退試合の映像だ。今までのファンとしての思いが込み上げてきて、もう背番号8の雄姿を見れないと思うと涙がじんわりと流れてくるのだ。シクシク。」
「それなら走れメロスの友との再会。母を訪ねて三千里のお母さんとの再会しーんでも、長い苦労や努力の月日がじんわりと涙を流させてくれるわね。」
「その通り! アハッ!」
こうして溝が埋まっていく真理亜の新しい夢であった。
つづく。
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