第37話 頂上決戦少女

「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」

 〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。

「天下布武じゃ! お友達になろうよ! アハッ!」

 姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。

「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」

 良く出来た妹の楓の物語。


「ワッハッハー! これで渋谷区の北部は全て破壊した。残るは南だけだ!」

 渋谷区本町、幡ヶ谷、笹塚は明治天皇少女によって滅ぼされた。

「ん? また何者かが空を飛んでいる?」

 明治天皇少女は空飛ぶ人間が多いんだな~っと思った。

「待たせたな。」

「誰だっけ?」

「私だ!? 私!? 真理亜だ!?」

 なんと空を飛んで現れたのは真理亜だった。

「おお! 私の封印を解いてくれた、我が友よ!」

「お友達! 最高! アハッ!」

 どこかでは仲良しの真理亜と明治天皇少女。

「あれ? 確か私の代わりに宝物庫に封印したはずなのに、どうしてここにいるの?」

「それは私が超能力少女だからよ。」

「超能力少女!?」

「あなたを100年封印した宝物庫など、私のサイコキネシスで簡単に破ることが出来たわよ!」

 正しくは、神園町子が外から開けてくれたのだ。アハッ!

「やるな!? さすがマイフレンド!? 只者ではない!?」

「思い知ったか! アハッ!」

 得意げな真理亜。

「それにしても、なぜ空を飛んでいる? それに何だか前と雰囲気が変わったような。なぜ人間が光っている? 蛍光灯でも付けて飛んでいるのか?」

「さっきから質問ばかりね。答える義理はないから、さっさと戦ってケリを着けよう。」

「まあ、いいでしょう。どんなに頑張った所で所詮は人間。この100年の恨みを抱く私に勝てる道理はないのですから!」

「それはどうかしら? 私のタイキックは最強よ。」

「タイキック!? サイキックの間違いじゃありませんか?」

「アハッ!」

 笑って誤魔化すお馴染みの展開。

「いくぞ! 明治天子ちゃん!」

「こい! 真理亜!」

 ここに頂上決戦が始まる。

「くらえ! 100年の恨みビーム!」

 明治天皇少女は恨みのビームを放つ。

「・・・・・・。」

 しかし真理亜は避けない。

「なに? かわす気がない? 愚かな!? ビーム攻撃を受けるつもりですか?」

 ドカーン! とビームが真理亜を直撃する。

「あっけなかったですね。所詮は人間ですから。」

 直撃で煙幕が起こる。

「なに!? 直撃だぞ!? 私のビームを受けても無事だというのか!?」

 煙幕が薄れてくると真理亜が姿を現す。

「サイキック・シールド。私の超能力でシールドを展開したのよ。どんな攻撃も防げるのだ。アハッ!」

「クソッ!? 人間の分際で!」

 悔しがる明治天皇少女。

「ちょっと待て! おまえも天皇というだけで、人間だろう?」

「そうだよ。アハッ!」

 なんと明治天皇少女の正体は人間だった。

「なら無駄な抵抗はやめて、お友達同士仲良くしようぜ。」

「それは無理。私の封印されて失った100年の恨みを晴らすまでは、一緒に遊んであげない!」

「我儘な奴だな。」

「おバカキャラの真理亜に言われたくないわい!」

 お話は平行線だった。

「いいだろう! タイキック少女最強の奥義で、おまえの恨みを晴らしてやろう!」

「やれるもんならやってみろ! 我が恨みは渋谷区にとどまらず、日本を、全世界を! 全宇宙を支配するのだ! ワッハッハー!」

「それは困る。」

「なに?」

「だって私の夢は、天下布武だから!」

 多くの人が忘れていたかもしれないが、真理亜の夢は、天下布武である。

「悪いが私も自分の夢は譲れない!」

「それでいい。夢は見るものではなく、夢は叶えるものだから!」

「勝負だ! 真理亜!」

「望むところよ! 決着を着けましょう!」

 ここに真理亜と明治天皇少女の最後の力を振り絞った戦いが始まる。

「拡散メガ粒子恨みビーム!」

 あっちこっちに恨みをバラまく明治天皇少女。

「くらえ! 恨みっ子! これが私の太陽光線だ!」

 真理亜は殺人太陽光線を放つ。

「え?」

 普通の人間が空を飛んでいることも不思議だったが、普通の人間の真理亜が太陽光線を放つことにも驚き隙が生まれる。

「ギャアアアアアアー!?」

 真理亜の太陽光線が明治天皇少女に命中した。

「こらー!? 普通の人間は太陽光線なんか放たないぞ!?」

「あ、いい忘れていたけど、私、天照大神の末裔なのよね。」

 そのために真理亜の名字は大神にしてある。

「それ!? 先に言ってよね!?」

 逆ギレする明治天皇少女。

「アハッ!」

 笑って誤魔化す真理亜。

「私に歯向かったことを後悔するがいい!」

「ちょっと待った! 真理亜ちゃん! 私たちはお友達よね? 仲良くしましょうよ? ね、ね、ね。」

 相手が神と知り形勢が逆転した。

「問答無用! 天照ソード! 天照ウイング! 天照シューズ! 天照ランドセル! 天照カステラ! 天照アトミックボム! 天照コロッケ!」

 只管、神の装備を装着していく真理亜。

「例え相手が神であっても、真理亜ちゃんがおバカで良かった。これなら私でも神に勝てるかもしれない!」

 真理亜のアホさ加減に息を吹き返す明治天皇少女であった。

「天照コーラ! 天照ポテチ! 天照スマホ! 天照・・・・・・。」

 半分くらい食欲に支配されている現代の天照の真理亜であった。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る