第31話 松濤少女
「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。
「天下布武じゃ! お友達になろうよ! アハッ!」
姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。
「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」
良く出来た妹の楓の物語。
「zzz。」
真理亜は宝物庫に封印され中です。アハッ!
「総攻撃だ!」
「おお!」
渋谷区渋谷の少女たちが占領した円山町と神泉町から北の松濤に攻め込んだ。
「チャンスだ!」
「冒頭からの出番だ!」
「目立つなら、今しかない!」
「ウッキー!」
「ホウホケキョウ!」
「桔梗屋! お主も悪よのう!」
「降伏したけど、こんな軍勢で大丈夫かしら?」
「私もなんだか不安になってきたわ。」
戦火をあげて出番の倍増をアピールするものが多く、渋谷区渋谷の士気は異様に高かった。
「やらせはせんぞ! やらせは!」
松濤の少女、松濤子(マツ・トウコ)はプライドにかけて降参する気はなかった。
「かかれー!」
「おおおおおおおー!」
その時だった。どこからともなく大軍が松濤に流れ込んできた。
「なんだ!? 何がおこった!?」
「どこの軍勢だ!?」
「よ、代々木軍で!?」
「代々木軍だと!?」
現れたのは代々木軍であった。
「北には神山町子がいたはずだ!?」
「既に神山町は代々木軍に敗退した模様です!?」
「なんだと!?」
そう、既に神山町は代々木軍に敗北していたのだった。
「代々木軍!?」
「どうすればいいの!?」
代々木軍の登場にビビるのは渋谷区渋谷チームも同じであった。
「逃げよう!」
「逃げる!? 逃げたら楓ちゃんに殺されるぞ!?」
「ゾクッ!?」
小学一年生の司令官のことを考えると背筋が凍る渋谷区渋谷のお友達たちであった。
「でも、ここにいて代々木軍と戦っても死ぬだけだ!」
「そうだ! そうだ! それなら潔く退却しよう!」
「賛成!」
満場一致で渋谷区渋谷チームは松濤から撤退することを決めた。
「撤退だ!」
「一時撤退して、防衛ラインを作るんだ!」
「神泉町! 円山町に退却だ!」
「ウッキー!」
「ホウホケキョウ!」
「お主も、なかなかの悪よのう。ワッハッハー!」
こうして渋谷区渋谷は松濤から姿を消した。
「渋谷区渋谷軍がいなくなっても、次は代々木軍だと!? 一難去ってまた一難だ!?」
松濤子は危機が迫ることに苛立ちを覚えていた。
「あ、あ、松濤につぐ、直ちに降伏せよ!」
「なんだと!?」
スピーカー放送を代々木軍が始める。
「降伏しなければ、松濤に細菌兵器の新型ロナ・ウイルスをバラまくぞ!」
代々木軍の領土拡大の方程式。毎回、ウイルスをバラまくと脅して渋谷区の北を平定したのだった。
「なんて最低な奴らだ!? そうか! 代々木は相手を脅迫して急速に領土を拡大していったのか!?」
難しい判断を迫られる松濤子。
「ど、ど、どうすればいいんだ!? 降伏しなければ松濤にウイルスが!? しかし降伏するということは、松濤があいつらのものになってしまう!? 何か松濤民を救う方法はないのか!?」
苦悩する松濤子。
「無念だ。降伏するしかないのか!?」
悩んでも民の命を救う方法は、降伏するしか思い浮かばなかった。
「さあ! 松濤よ! 戦うのか? 降伏するのか? 返事を聞かせてもらおうか!」
そこに松濤子が現れる。
「・・・・・・。」
かなり思い悩んだのだろう。松濤子の顔は歪みまくっていた。
「全軍かかれ! 我々、松濤はプライドにかけて! 降伏などせん! 降伏するぐらいなら、死んだ方がマシだ!」
「おお!」
松濤は戦うことを選んだ。
「つまらんプライドだ。その意地が自国の民を死に追いやることが分からんとは。」
代々木軍は自国の民のために降伏した諸国の集まりである。
「新型ロナ・ウイルス! 放出! 我が軍に損害が出ないように、速やかに散布しろ!」
「はあ!」
遂に松濤に細菌兵器がバラまかれようとしていた。
「さらば、松濤。ウイルスの前では人間の価値など、あってないようなものだ。虚しいな。戦争なんて・・・・・・。」
代々木軍の○○少女たちも細菌兵器で大量虐殺を行うことに心を痛めていた。
「ドドドドドオッドオドドドドドドドドドドドドオドドドドドドドドドオドー!」
その時、大地に爆音が響き、大地震の様な揺れが起こる。
「うわあああああー!?」
敵も味方も体制を崩し地面に倒れる。
「なんだ!? 何が起きたんだ!? 敵の新兵器か!?」
狼狽える松濤子。
「松濤は自爆でもしたのか!?」
代々木軍にも動揺が走る。
「あれは何だ!?」
「どうした!?」
「少女です!? そ、空に少女が飛んでいます!?」
「なに!?」
丁度、代々木神園町の上空に見知らぬ少女が浮かんでいた。
「ワッハッハー!」
そして少女は代々木神園町に隣接する国々を消滅させていく。
「オラオラオラオラ! オラオラオラオラ! オラオラオラオラ!」
化学兵器ではない、エネルギー破のようなものを手から出して攻撃している。
「私の100年の恨みを思い知るがいい!」
少女が飛ばしていたのは封印されていた100年間に溜め込んだ恨みや呪いといった負のエネルギーであった。
つづく。
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