第30話 神南少女
「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。
「天下布武じゃ! お友達になろうよ! アハッ!」
姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。
「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」
良く出来た妹の楓の物語。
「zzz。」
良い子の真理亜はお休み中です。
「なぜだ! 新型ロナ・ウイルスで殺したはずの千駄ヶ谷子が、なぜ!? 生きている!?」
代々木子率いる代々木最強軍は、千駄ヶ谷を攻め滅ぼし、その勢いのまま神宮前に攻め込んだ。
「卑怯な手を使うおまえには分かるまい! 敵同士であっても互いに認め合うことが出来れば、味方同士にもなれるということを!」
「はい。分かりません。」
争う気はないので素直に謝る代々木子。
「どうせ、おまえたちはここで死ぬ運命。少し長生きした所でなんの意味もないのだ! ワッハッハー!」
しかし渋谷区の北を支配した代々木軍は圧倒的な数で神宮前の本拠地を包囲している。
「確かにこのままではまずい!?」
「大丈夫だ! 同盟から援軍がやって来るはずなんだ! 急げ! 急いでくれ!」
神宮前子は渋谷区渋谷からの援軍を待っていた。
「これから3数える。それまでに投降しない時は総攻撃を仕掛けるぞ。」
「なんだって!? どうする!?」
「ええーい? どうすればいいんだ!?」
まもなく代々木軍の総攻撃が始まろうとしていた。
「1」
「ここまでだ! 神宮前子!」
「何を言い出す千駄ヶ谷子!?」
「このままでは神宮前が千駄ヶ谷の様に滅んでしまう! もう諦めて降参しよう!」
「そ、それは・・・・・・。」
苦渋の表情で悩む神宮前子。
「2」
「どうやら決めることが出来なかったようだな。何も決めれない人間は死、あるのみだ。」
代々木子はゲームを楽しんでいるかのようだった。
「3」
遂に死へのカウントダウンが行われた。
「全軍突撃! アリンコ1匹残らずに蹴散らせ! 奪えるものは奪っていいぞ!」
「おお!」
略奪OKの代々木軍の士気は最高潮に高まるのであった。
「来るぞ! 守備を固めろ!」
「クソッ!? 渋谷区渋谷の援軍は間に合わなかったか!?」
代々木軍と神宮前との戦いが始まった。
「いけ! 突撃! 金と女を手に入れろ!」
「おお!」
代々木軍の猛攻が始まる。
「多勢に無勢か!?」
「ここまでなのか!? もうダメなのか!?」
神宮前子と千駄ヶ谷子に諦めムードが漂い始めた。
「ギャアアアアアアー!?」
神宮前の土地に悲鳴が響く。
「許せ! 神宮前民よ! 無力な私を恨んでくれ!」
「違う!? よく見ろ!? 悲鳴を上げているのは代々木軍だ!?」
「なんだって!?」
神宮前子が見ると代々木軍が炎で焼かれていく。
「これは!?」
「見ろ! 空に何か飛んでるぞ!?」
「鳥だ! 飛行機だ! 魔法少女だ!」
空に浮かんでいるアリア。
「私はタケチャンマンではない。」
戸惑っているアリア。
「援軍だ! 渋谷区渋谷からの援軍だ!」
「私たちは助かったのか!?」
魔法少女の登場に喜び安堵する神宮前子たち。
「なんか調子狂うけど、まあいいや。」
いまいち調子のでないアリア。
「魔法少女アリアの名において命じる! 火の嵐! ファイア・ストーム!」
「うわあああああー!?」
巨大な炎の柱の様な嵐が発生して、代々木軍を蹴散らしていく!
「やったー! 私たちの逆転勝利だ!」
「圧倒的じゃないか! 魔法少女! いや~、渋谷区渋谷と同盟を結んでおいてよかった! 祝勝会の準備だ!」
既に勝った気になっている神宮前子たち。
「なんだ!? あの火柱は!? 何が起こっているのだ!?」
「代々木子様! 報告いたします! あれは渋谷区渋谷からの援軍の魔法少女です!」
「なに!? 魔法少女だと!?」
「はい!」
「この化学兵器の時代に魔法で歯向かってくるというのか!? いつたいどこからやって来たというんだ!?」
渋谷区渋谷です。アハッ!
「抵抗するなら仕方がない。新型ロナ・ウイルスを散布するぞ! これで魔法少女もイチコロだ! ワッハッハー!」
遂に代々木子は千駄ヶ谷の悪夢を再現することを命じた。
「大変です!」
「どうした?」
「代々木軍が細菌兵器の準備を始めました!」
「なんだって!? この神宮前にもウイルスをバラまくつもりなのか!?」
代々木子、困った時は細菌兵器。アハッ!
「急いでくれ! 魔法少女! 細菌兵器がバラ撒かれる前に破壊してくれ!」
頼みの綱はアリアだけだった。
「白旗だ! 降参する! だから、いじめないで下さい! クスン。」
神南の神南子(カミ・ミナミコ)は白旗を上げて泣いていた。
「どうやら戦う意思はないみたいだな。」
「良かった。これで戦わないで済むというものだ。」
「楓ちゃんに報告だ。」
渋谷区渋谷の○○少女たちは圧倒的な数で神南の本拠地のNHKテレビ放送局を包囲した。観念した神南子は降伏した。
「私の扱いは捕虜扱い条例に持つ図いて丁重に扱ってくれるんだろうな?」
「大丈夫だよ。」
「おまえは!? 宇田川子!? そうか!? おまえも捕まったのか!?」
「違うよ。捕まったんじゃなくて、お友達になったの。」
「お友達? 馬鹿を言うな!? 私たちは負けて捕まって、これからキャバクラか風俗に売られるんだぞ!?」
「そんなことしないよ。だって渋谷区渋谷には聖母、真理亜ちゃんがいるから。」
「聖母!? 真理亜様ではなく、ちゃん?」
「そう、真理亜ちゃん。真理亜ちゃんはお友達至上主義者だから。」
「お友達至上主義者!?」
「だから神南子ちゃんも、みんなのお友達になろう。」
「お友達!?」
「そうだよ。みんながお友達になれば、この世から争いやいじめ、暴力が無くなり、みんなが幸せになれるんだよ。アハッ!」
正にアハ教の教えであった。
「な、なれるだろうか? 私にもみんなとお友達に。」
「なれるよ。自分のことを受け入れてくれるのがお友達だもの。アハッ!」
こうして渋谷区渋谷は神南を手に入れたのだった。
つづく。
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