第21話 恵比寿少女 後編

「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」

 〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。

「お友達になろうよ! アハッ!」

 姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。

「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」

 良く出来た妹の楓の物語。


「消えるのはおまえだ! ミジンコ野郎!」

 その時、一人の少女が現れる。

「何!? 何者だ!?」

「私は神。アハ神様だ。」

 アハ神様の正体は、真理亜である。生活のためにアルバイトを掛け持ちしているのだ。

「神!? 神だと!? ワッハッハー!」

「何がおかしい?」

「神なんかいる訳ないじゃないか! だって私が神になるんだからな!」

「おまえ、喋り過ぎなんだよ。おかげで尺がないじゃないか。」

「え? そうなの。ごめんなさい。」

 意外に素直な寿子。

「問答無用! 必殺奥義! アハ神様タイキック!」

「謝ったじゃないか!? ギャアアアアアア!?」

 真理亜はタイキックを恵比寿ガーデンプレイスにお見舞いする。

「後編が中編になってしまった。誰でもどこからでも見てもらうためには1話完結の短編が鉄則。許せるわけがない。」

 ドカーン! っとキノコ雲をあげ恵比寿ガーデンプレイスは地上に墜落し爆発した。

「か、神だ!? なんて神々しい光だ!?」

「私たちは助かったんだ!?」

「あれ? 真理亜ちゃんに似てない?」

「まさか!? 今度は神様のアルバイト!? ・・・・・・そんな訳ないか。」

 地上の四人のお友達たちは空に浮かぶ神々しいアルバイトの真理亜のアハ神を見て感動していた。

「いや~、これで恵比寿も私たちの領土だ!」

「やったー! これで大きな顔で本国に戻れるね。」

 四人のお友達たちは勝利を大いに喜ぶのであった。

「まだだ! まだ終わってないぞ!」

 その時、一人の真っ黒こげの少女が現れる。

「恵比寿子!?」

 なんと現れたの恵比寿ガーデンプレイスの墜落で死んだと思われた恵比寿子だった。

「まだ終わらんぞ! おまえたちを道連れにしてやる!」

 復讐に燃える寿子。

「何たる執念!?」

「怖い!?」

 怯える四人のお友達たち。

「どいつからだ! 血祭りにしてやる!」

「やめて下さい!」

「寿子お姉さま!」

 その時、寿子に声をかける二人の少女が現れた。

「西子!? 南子!?」

 現れたのは渋谷区渋谷の野獣たちに殺されたと思っていた寿子の二人の妹たちであった。

「お姉さま!」

「おまえたち無事だったのか!? 生きていてくれたのか!?」

「はい! 私たちは大丈夫です!」

 感動の再会を果たす恵比三姉妹。

「はあ!? まさか!? 人質!?」

「はっはっはっ! その通り! おまえの妹たちは預かった! 返してほしければ降伏しろ! さもないと、おまえの大切な妹たちを渋谷のキャバクラに売り飛ばすぞ!」

「なんて卑怯なんだ!? 渋谷区渋谷の愚民共め!?」

 悪代官役の代官山子は悪ふざけに使えるかもしれない。

「助けてー! 寿子お姉さま!」

「西子!? 南子!? 待ってろ! 直ぐにお姉ちゃんが助けるからな!」

 悲劇の姉妹たち。

「助けてー!」

「やめい! おまえたち!」

「痛い!?」

 叩かれる西子と南子。

「妹に暴力を振るったな!? こうなったら、西子! 南子! ここでお姉ちゃんと一緒に死のう! そして天国で三姉妹揃って仲良く暮らそう!」

 寿子は人質の最愛なる妹たちは殺されるが、その代わりに渋谷区渋谷の四人のお友達たちは必ず殺すと天に誓った。

「いくぞ! 渋谷区渋谷の豚ども! 妹に手を出したことを、その命で償え!」

「来るな!? 妹がどうなってもいいのか!?」

「お姉さま! 私たちは先に天国に行っています!」

「どうか悪党どもを成敗なさってください!」

「おまえたち・・・・・・生きる時も死ぬ時も、おまえたちは私の永遠の妹だ!」

「はい!」

 死を覚悟した恵比三姉妹の結束は美しかった。

「やめなさいー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 その時、一行分の!マークが木霊する。

「アハ神様!?」

 アハ神様といってもアルバイトの真理亜なのだが。

「あんたたちもからかってないで、本当のことを伝えなさい! 西子! 南子! あんたたちもふざけてないでお姉ちゃんに本当のことを言いなさい!」

「アハ神様が怒ってる!? ヒイイイイイー!?」

 怯える一同。

「はい! 私たちは恵比姉妹を保護しただけです! 無駄な折衝はせずに、お友達になりなさい! というアハ神様の言いつけに従っただけです!」

「ごめんなさい! 寿子お姉ちゃん! 私たちは人質なんかじゃないの!」

「なんだってー!?」

「私たちは、ただのお友達です!」

「お友達!? お友達だというのか!?」

 衝撃の事実に驚愕する寿子。

「わ~い! わ~い! お友達!」

 一列にラインダンスを笑顔で踊るお友達たちであった。

「うんなあほな!? バタッ。」

 力尽きて倒れる真っ黒焦げ寿子。

「お友達が増えることはいいことなのだ!」

 満足なアハ神様。これで恵比寿も渋谷区渋谷領になった。

「恵比寿ビールで乾杯だ!」

 お友達が増える! サッポロビール!

「少女がお酒を飲むなよ!?」

「ノンアルコールビールは未成年もOKだ!」

「そうなの!? 知らなかった!?」

「お友達! 乾杯!」

「ワッハッハー!」

 お友達記念の飲み会を行うお友達たちであった。

「戦いの後に互いに称え合いお友達になる。なんて素晴らしい光景なんだ。笑顔が眩しいぜ! アハッ!」

 アハ神様は地上の笑っている人間たちを見て感動していた。

「おっと!? いけない!? 次はコンビニでアルバイトの時間だ! こう見えても私はカリスマアイドルコンビニ店員だからな! 遅刻するとウリアの奴が自給を下げるぞとうるさいからな。急がねば! アハッ!」

 真理亜のような現代人はアルバイトの掛け持ちは当たり前であった。

 つづく。

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