第20話 恵比寿少女 中編

「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」

 〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。

「お友達になろうよ! アハッ!」

 姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。

「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」

 良く出来た妹の楓の物語。


「施設が空を飛ぶなんて反則だ!? 訴えてやる!」

 お友達たちは恵比寿ガーデンプレイスが浮遊都市&空中戦艦であることに恐怖し抗議した。

「創作は自由です。アハッ!」

 〇〇少女ワールドの運営は軽く抗議を棄却した。

「おまえ、運営だったのか!?」

「経費が無くて運営の人を雇うことが出来なかったんです。クスン。」

「そんなこと言わないで、おまえも渋谷区渋谷だろ!? 一緒に戦え!?」

「無理! 今は運営本部でアルバイトの時間だからな。これも生きていくためだ。悪く思うなよ。アハッ!」

「・・・・・・。」

 真理亜は生活のかかったバイトに忙しかった。

「それではバーベキュー大会の始まりだ。我が空中要塞の波動砲ロブションで跡形もなく消滅させてやる!ワッハッハー!」

 火力はロブション。お歳暮は三越。お泊りはウエスティンホテルで。

「チャージ開始!」

「はい!」

 恵比寿ガーデンプレイスの波動砲のエネルギーチャージが始まる。

「これでいいのか!? 世の中、何か間違っている!?」

「鶯焼きか、焼いたら美味しいのかな? ホウホケキョウ。」

「それを言ったら私は猿焼きだぞ!? たい焼きのみたいなものだな。ウッキー!」

「それをお土産、名物として庶民に高値で売りつけて、ガッチリ銭儲けじゃ! お代官様は悪なのだ! ワッハッハー!」

 死ぬ直前の緊張感の無い四人のお友達たち。

「エネルギーチャージ25%!」

 着々と波動砲のエネルギー充電が進んで行く。

「はあ!?」

 昼寝をしていた真理亜は目覚めた。

「タピオカミルクティー! 美味しい! やっぱり、これが今の流行だぜ! アハッ!」

「生き返った。」

「タピオカミルクティーの甘い香りにお姉ちゃんの本能が反応したんだわ。」

 先に目覚めたアリアと妹の楓がタピオカミルクティーを飲んでいた。

「容器の底のタピオカが吸えない!? クソッ!? ズズズズズー!」

「お姉ちゃんは何か口に入れてればいい。」

 妹に見放されるタピオカあるあるの姉。

「エネルギーチャージ50%!」

 ホッコリしている間にも死の兵器のエネルギー充電は進む。

「それより大変なことになって来たわ。松濤が神泉町と円山町を占領したようね。私たちの領土と隣接しているから防衛が心配だわ。」

「あそこのラブホ街は、元々から松濤や神山町のお金持ちに体を売る女性ばかりだったから、仕方がないね。私たちが制圧したらラブホを全廃しよう。近所にドンキホーテが高層ホテルを建てるしね。」

「アハッ! ホテルもあるぞ!」

「アパホテルよ。お姉ちゃん、少しズレてるよ。」

「笑える楽しいホテルそれがアハッ! ホテルだ。アハッ!」

 お約束の展開。

「エネルギーチャージ75%!」

 恵比寿ガーデンプレイスの波動砲ロブションの火力は高まっていく。

「じゃあ、〇〇少女ワールドの運営のバイトの時間も終わったし、行ってくるか。」

「どこに行くの?」

「今度はアハ神様のアルバイトの時間なのだ!」

「どんなアルバイトだよ!?」

 ここでしっかりキメ顔をする真理亜。

「瞬間移動! テレポーテーション!」

 真理亜の姿は一瞬で消えた。

「こういう時天井に突き刺さって「助けてくれ!? 抜けない!?」とかやるのがお約束なんだが。今回はないね。」

「家の修理代もかかるし。お姉ちゃんが行って戦火を広げなければいいんだけど。」

 楓の心配はだいたい当たる。

「エネルギーチャージ99%!」

 恵比寿ガーデンプレイスの波動砲ロブションは最適に人を町を焼きあげる高性能がある。

「ミディアムか? レアか? 好きな焼き加減を選ばしてやるぞ。」

「じゃあ、火傷で済みそうなのでレアで。」

「生焼けじゃゾンビになっちゃうよ!?」

「ええー!? それも嫌だ!?」

 お友達たちは右に左にジタバタする。

「おまえたちはウェルダンだ! 真っ黒カッチカチの炭してやる!」

「ギャアアアアアア!?」

「安心しろ。運よく生き残ったら、広尾病院に入院させてやる。都民の税金だ。私の懐は痛くもかゆくもないからな! ワッハッハー!」

 広尾病院は都立の病院です。アハッ! 住所は恵比寿だけど、広尾病院です。アハッ! ツッコム余裕は四人のお友達たちにはなかった。

「もうダメだ!?」

「私たちはここで死ぬのか!?」

「絶望だ!? ここに夢と希望はなかったんだ!?」

「おおー! 神よ! もしも神が本当にいるというのなら、迷える子羊をお助け下さい!」

 最後は神頼み。

「この世に神などいる訳がないだろう。なぜなら、私が神になるからだ! ワッハッハー!」

 これが本当の恵比寿様。

「エネルギーチャージ100%完了です! ロブション、いつでも打てます!」

「よし、トリガーを寄こせ!」

 恵比寿子は波動砲ロブションの発射のトリガーを握る。

「消え失せろ! アリンコども!」

 寿子は引き金を引こうとする。

 つづく。

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