第9話 敵を知る少女

「操りたいのは君の心! 〇〇少女ワールド! アハッ!」

 妹の楓、新しいキャッチフレーズ試行錯誤中。

「お友達募集中です! アハッ!」

 おまけ。真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。

「楓、チュートリアルが長すぎると客が去るわよ?」

「大丈夫。ゲームになったら細部まで設定配置してもらって、本編は安心の1話完結のぶっ飛びでいくから。アハッ!」

 もし人気が出てゲームになったら制作会社の人々、頑張ってね。アハッ!

「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」

 仲良し姉妹の物語である。


「出陣じゃ! 天下布武じゃ!」

 今度こそ真理亜は他国に攻め込もうとする。

「ストップ。」

「なぜ止める!? 妹よ!?」

「攻撃する前に敵の情報を得ないと、痛い目に合うわよ。」

「相変わらず良く出来た妹さんだ。」

「お姉ちゃんと妹が逆みたいな姉妹ですね。」

 しっかり者の妹に感心するアリアと渋谷子

「まずは渋谷区の概要を見てみましょう。」

 渋谷区の地図を見る。

「北は新宿の南から、南は恵比寿を含み、東は港区みたいな広尾まで。西は世田谷区ね。」

 やはり良い立地の渋谷。

「ここで主要拠点である。区役所や駅、学校、病院を占拠していくのね。」

「はい。その通り。」

「やったー! 褒められた! アハッ!」

 滅多に褒められないので少しでも褒められると嬉しい真理亜。

「まず自領の渋谷区渋谷。」

 渋谷区渋谷が真理亜たちの本拠地である。

「渋谷区役所は宇田川町だけど、第二美竹分庁舎がある。ここが私たちの行政機関ね。」

「ヒカリエにも区民サービスセンターがあるわ。」

「なんて便利なんだ!」

 渋谷区渋谷は行政レベルが高い。

「次に渋谷警察署も渋谷区渋谷! 郵便局も渋谷区渋谷! アハッ!」

「でも消防署は神南だな。」

「ガーン!?」

「いちいち真理亜ちゃんはアクションが大きいね。」

「おバカな子の典型的な少女ですから。アハッ!」

 これで行政機関は抑えた。

「次に驚いたのが港区だと思っていた天下の青山学院大学は・・・・・・渋谷区渋谷だった!」

「なんですと!?」

「やったー! 私たちは賢いんだ! わ~い!」

「真理亜ちゃんには大学は縁がなさそうだね」

 ちなみに天下の陸上部は町田である。

「次に病院は渋谷クロスタワーに東京吉医科大学病院があるのだ!」

「早速、私の頭を見てもらいましょう!」

 医者に自分の頭を見せる真理亜。

「・・・・・・現代医学では治せません。」

「ええー!? 私って病気じゃなかったんだ!」

「そこか!?」

「アハッ!」

 医者でも、おバカは治せない。

「行政機関等の施設の能力やレベルの詳細は後々考えるとして、住所同士で戦わせるだけで、恐ろしいコンテンツの数ね!?」

「私たちは飛ばし飛ばしにしましょう。どうせ抜けた施設は後から追加ということにしましょう。全部把握は無理よ!」

 もしもゲームになったら、ゲーム制作会社の方々に頑張ってもらおう。アハッ!

「クソッ! 自国領土の渋谷区渋谷だけで、こんなに大変なんだなんて!? もう話し合う尺がない!」

「なんだって!?」

「細かい話はやめて、他の地名の主要な施設だけ紹介しておこう。」

「渋谷区役所は、宇田川町。」

「渋谷センター街も宇田川町。」

「広尾病院は、恵比寿。」

「赤十字病院も広尾。」

「聖心女子大学は、広尾。」

「國學院大學は東。」

「渋谷駅は、道玄坂。」

「マークシティも道玄坂。」

「スクランブルスクエアは渋谷。おお! 自国領だわ! やったー!」

「ストリームも渋谷区渋谷! ラッキー!」

「東急セルリアンタワーホテルは桜丘町。珍しい地名ね。」

「代官山蔦屋のTサイトは、猿楽町か。代官山じゃなかったんだ。」

「原宿駅は神宮前。」

「明治神宮は代々木神園町。」

「NHKは神南。」

「アアアアアー!? 上げれば上げるだけでキリがない!? 頭がおかしくなる!?」

「ああ!? 真理亜ちゃんが壊れる!?」

 廃人となる真理亜。

「話が前に進まないので施設などは、登場する時に登場する施設だけを調べて描くことにしましょう。」

「さすがは楓! 我が自慢の妹よ! アハッ!」

 こうして渋谷区の全体図にも目を通した真理亜たちであった。

 つづく。

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