6話 第三章 メインヒロイン、キター!


会議場――


というと、何だか事務的なイメージをするものだが、この都市でいう会議場というのはいわば政治の場。


いざ来てみると、まさに宮殿と呼んだ方がふさわしい、威風堂々たる建物がそこにあった。


その石造りの豪華な建物の入り口は、大きく口を開けた様になっており、それを支える為の石柱が四本ほど、立ち塞ぐようにして横に並んでいる。


俺が目を細めてみると、その石柱のそばに佇む人影が一人。


「お、いたいた!」


俺はその人物に向け、大きく手を振ろうとすると――


「マイトお前!どれだけ探したと思ってんだ⁉」


やはり……当のセタスはかなりご立腹のご様子だった……


「いや、迷子になったのはお前だろ。俺がちょっと魔道具屋を物色してる隙にどっか行きやがって……」


「何ちょっと目を離した隙に、みたいな言い方してんだ⁉

人ごみが凄いんだからせめて俺に一言言ってから……

……って、あれ?」


と、そこでようやくセタスは俺の隣の少女に気が付いたらしい。


「マイト……この娘は?」


「あ、ああ。この娘は……」


と俺が彼女に振り返ると――


「クリスタ・ウンディーネと申します。貴方が、勇者様のお仲間の方ですか?」


クリスタが俺の言葉を引き継ぎ、自己紹介をしてくれた。


すると――


「ああ!失礼いたしました!」


急にセタスは慌ただしくかしこまる。


「ご貴族様のご令嬢とは知らずに。

自分の名はセタス。この度は勇者殿の従者としてご一緒させて頂きました。」


そしていかにも兵士然とした態度で彼女に敬礼した。


そういやコイツ、兵士だったな。


普段のいい加減な態度のおかげですっかり忘れてたよ。


「あ、いえ、そんなにかしこまらないでください。」


そんなセタスとは対照的に、彼女は胸の前で両手をフリフリしながらセタスを宥める。


「では、私は今から会議がありますので、お先に中に入っています。

勇者様が来ることは既に皆に伝わっておりますので、もう少しすれば声がかかるでしょう。今しばらくお待ちください。」


そして彼女はにっこりと俺達に一礼すると、入り口の中へと消えて行った。


「しっかりした子だなあ……」


俺はつい感心のあまりにそう声を漏らしてしまう。


「マイト。お前どこでクリスタ様と知り合ったんだよ。」


「ああ。彼女、何かカルミネっていう悪党に襲われててな。それを助けた。」


「マジで⁉お前やるじゃん!どんな感じで戦ったの?」


そして俺はカルミネとの戦いの内容を詳しく説明する。


クリスタに魔液と偽って普通の水を飲ませた事。


魔法が来ると思って身構えているカルミネに砂を掛けて目潰しした事。


「そして、奴が剣を地面に突き刺したと同時に、剣を持っている手を打ち払ってやったのさ。」


こうやって口に出して言ってみると、なかなかひどい内容だな。


ハッタリのレベルを超えてもはや卑怯者じゃねえか。


「まあ、ハッタリも実力の内さ。」


俺はそれでもセタスに向けて、自信満々に胸を張り、そう言ってやった。


しかし――


「そうそう。その通りだよ……」


セタスはうんうんと満足そうに頷くが……


「…………。」


「…………。」


「……へ?」


いつまでたっても来ないツッコミに、俺は素っ頓狂な声を上げる。


「……何?いや、本当にその通りだよ。」


「え?ああ。うん。」


「……何?もしかしてツッコまれるとでも思った?」


「え?ああ。うん。」


意地悪くにやけるセタスに、俺は二回同じ返答をする。


「んな訳ないじゃん。戦闘なんて卑怯で結構なんだよ。勝てばいいんだよ、勝てば。」


拍子抜けしている俺の肩を、セタスは笑ってポンポンと叩く。


こいつやっぱノリが合うわ……


ボーっと、俺がそんなことを考えていると――


「勇者様。お待たせ致しました。」


会議場から出てきた衛兵が声を掛けてくる。


「どうぞこちらへ」


建物の中へと案内される俺達。


俺達は言われるがままに、大きく口を開けた入り口の中へ足を踏み入れる。


すると――


俺達の目の前に広がったのは……


「うわぁ……」


視界いっぱいに広がる広大なホール。


そんな迫力満点な光景に、思わず目がくらみそうになった。


天井が、高い。


地面には幅の広い絨毯。


それがずっと奥向こうまで続いている……


「すんげえ……。」


無意識に、そんな声が漏れ出ていた。


そんな俺を見てか、衛兵は中を案内しながら話し出す。


「ここはもともと、かつての勇者が異民族の魔の手から奪取した土地なんです。」


衛兵は尚も説明を続ける。


「その後、勇者主導のもとに他の貴族達がこの地を治めるようになったため、ここは複数の貴族による共和制の体制を取る事になりました。

――ですので、この都市では王に当たるものが存在しません。」


衛兵は特段大きな声で話している訳では無い。


――にもかかわらず、それでもこのホールの中では彼の声はよく響き渡っていた。


「しかし、やはりここはこの大都市の政治を行う場所。

やはり外から来るものに対しても威厳を保たなければなりませんので……

中央国にあるような王宮とかと、本質的には変わりはないのです。」


彼の説明に、俺は「へえ・・・」とそれとなしに声を鳴らしていた。


廊下の隅には、さまざまな武器を携えた全身鎧が等間隔で飾られており、その様は一瞬兵士が並んでいるのかと見紛うようだった。


うわ~。ああ言うのって本当にあるんだな……


よくホラー映画とかだと、ああいう鎧が勝手に動き出したりするんだよなあ……


そんな感想を抱きながらひたすら歩いていると……


やがて――俺達はホールの奥までたどり着いた。


しかしそこにあったものは――


目の前に立ち塞がる突き当たりの壁。


よく見ると――


その壁一面には大きな壁画が描かれている。


「これは……」


壁画に描かれている二人の人物。


それは―――光を放つ年老いた男と、それに跪く若い男。


神々しいオーラを放つその老人は、男に弓を授けようとしていた。


「ああ。これは神がこの世界に勇者を送り込んでいる絵ですよ。

……神は時々この世界を守るために、勇者に特別な能力を与え、この世界に召喚するのです。」


じっと目を奪われていた俺に、衛兵はまた親切に説明してくれる。


「ちなみにこの勇者は弓の名手であり、どんな的をも外さない能力を得たそうですね――

邪教を信仰する異民族達は身体能力に優れており、中央国軍はなかなかに手を焼いていたのですが……

勇者は彼らの身体に、『矢を吸い寄せる刻印』を刻み込み、得意の弓術で異民族を見事撃退したと言い伝えられております。」


衛兵の親切な説明に、俺は思わず眉をひそめる。


『矢を吸い寄せる刻印』ってなんだ。


チート能力も良い所じゃねえか?


俺は自分に与えられた能力と比べて、つい肩を落としてしまう。


それにしても……


この年老いた男――まさか、あの神か。


「勇者マイト様も神から能力を授けられたのでしょう?

ちなみに、どんな能力を授けられたのですか?」


この衛兵は俺の事を詳しく知らないのか、その表情に興味を示して聞いてきた。


「魔王『も』滅ぼす能力だ。」


「すごい!そんな強力な能力があればこの世界も安泰ですよ!」


真顔で答えた俺の隣で、衛兵はなにやら感心していたが……


俺はその衛兵には目もくれず、ただその壁画を見ていたのだった。




「ここで少々お待ちください。」


俺たちにそう断った衛兵は、この一枚の壁画の壁の脇から、その向こう側へと去っていく。


どうやらこの壁画を隔てた向こう側にも空間があるらしい。


すると壁画の裏側から……


「勇者マイトと護衛の兵士が参りました。」


という先ほどの衛兵の声が聞こえてくる。


なるほど、この壁の向こう側が例の会議場か?


そして再び――


「お二人方、こちらへ。」


その壁の裏側から衛兵がひょこっと顔を出すと、手短に俺たちに促した。


「マイト。お行儀良くしろよ。」


突然そんな失礼な事を言ってくるセタス。


俺は無言で奴を睨んだ。


こいつは俺をどういう風に見てんだ……


俺だってこういう改まった場ではそれなりの立ち振る舞いは出来る。


そんな不満を抱きながら――


俺たちが中へ入ると……


そこは、まるでドームを思わせるような丸みを帯びた空間だった。


そして目の前には、それぞれの席に座る身分の高そうな者たちが、半円状に俺たちを囲んでいる。


彼らの後ろはひな壇となっており、彼らの護衛の兵士や付き人と思われる者たちが、その後ろ無数に控えていた。


皆からの注目を一身に浴びる俺たちの立つ場所は、さながら劇場の舞台。


予想以上の迫力ある光景に思わず圧倒され、そんな俺はたちまちひどい緊張に襲われたのだった。


「ようこそおいでなさった。

私はこの都市の会議長、ラインホルト・ウンディーネと申します。」


そう言って恭しく挨拶してきたのは、目の前に座る風格のある老人。


ウンディーネ……?


見ると会議長の後ろには先ほどの少女――クリスタがこちらを見てにっこりと笑っている。


なるほど、親子か。


「ちなみに――」


となりのセタスが、俺にそっと耳打ちしてくる。


「会議長ってのはこの都市で一番偉い人だからな。」


なるほど、総理大臣みたいなもんか。


そりゃあ、ちゃんと礼を尽くさないといけないな。


そう思った俺は、一歩前に進み出る。


そして目の前の貴族達に深く頭を下げて……


「初めまして、勇者マイトです。

この世界に来てまだ二日目ですが、よろしくお願いします。」


こんな感じで良いだろう。


となりではセタスが、「勇者って自分で言うやつ初めて見た。」とボソッと呟いていたが、何も気にしない。


「ええ。我々先日この世界にまた勇者が現れたと聞きまして、ぜひ貴方様の力をお借りしたいと考えました。」


「なるほど。

私にできる事であれば何でもやりましょう。

犬の散歩とか自宅警備とか。」


「この度お願いしたいのは、この街に蔓延る悪党集団の討伐です。」


悪党集団ってあのカルミネって奴か?


俺は奴の顔を思い出す。


「で、敵の数は如何ほど?」


俺は冷静に会議長に尋ねた。


「つい先日、敵のアジトを発見しましてね。

ざっと五十名ほどと言った所です。」


「ふむ。まあやってみましょう。」


俺がそう言い放つと、その場にいた全員が一斉にどよめき出した。


「さすが勇者だ!」


「なんという溢れんばかりの自信じゃ!」


すると会議長はその顔に希望の色を浮かべ、俺に再び確認する。


「本当に……やってくれるというのですか?」


期待に膨れ上がった彼らの顔。


そして俺は、そんな彼らに対し――


自信満々にこう言い放ったのだ。


「ええ、一万の兵を貸して頂ければ、必ずや奴らを打ち破って見せましょう。」


すると……


どうしたことだろうか。


彼らの反応がにわかに不可解なものへと変わっていき……


皆、口を開けてあっけに取られてしまっている。


すると会議長はなにやら苦笑いを浮かべながら言葉を濁らせながら言ってきた。


「い、いや……勇者様。

今回の任務は勇者様の単独での行動になりまして……」


何を言っているんだコイツは?


「兵曰く、大軍を持って、勝つべくして勝つのが上策と言います。

例え敵が少数であろうとも、こちらは大軍を揃えるべきでしょう。」


しかし会議長はまるで信じられないと言わんばかりの表情で、慌てた様子で言ってくる。


「いや……勇者様であればこれしきの敵、一人でもたやすく打ち破れるのではないのですか?」


なんだコイツ、兵法も知らんのか。


「無論、俺一人でも余裕でしょう。

だが大将は後ろでどっしり構えておくべきもの、軽々に前に出るものではありません。」


俺が意見を述べると――


会議長は困ったように頭を掻き出した……


「いや……普通勇者様であれば勇んで引き受けてくれるものなのですが……」


全くもってけしからん……俺は傭兵では無いぞ。


「第一なぜ貴方たちは兵を出したがらないのですか。

悪党集団相手であればわざわざ勇者の手を煩わせずとも、貴方たちの正規兵だけで対処できるはずでしょう。」


俺は至極真っ当な事を言っている。


その証拠に俺の言葉を受け、皆何も反論できなくなっているようだ。


しかし、そんな中――


「恐れながら勇者様。」


別の貴族から声が上がった。


「聞くところによると、貴方の与えられた能力は強力すぎて逆に使えないような代物だということですが……」


そんな問いかけに対しても、俺は慌てることなく言い返す。


「ええ。いかんせん人類が魔王との最終決戦に臨む際に、その切り札となりうる最強の能力ですので、たかだか悪党集団相手にはとてもじゃないが使えるものではありません。」


しかしその貴族は尚も俺に言ってきた。


「聞きましたよ?魔王だけでなく、世界すらも滅ぼしてしまう恐るべき能力だと。」


「ええ。世界のついでに魔王も滅ぼすんです。

魔王……滅ぶんですよ?良い事でしょ?」


俺のそんな完璧な理論に、その貴族はしばしの間呆気に取られると……


「いや……そんな能力は封印すべきだと思うのですが……。

まあ、そんな話は置いといて――」


彼はゴホンと一つ咳払いをした後、そのまま続けて言った。


「貴方はもしや……その能力を除いて考えると……

そこらにいる一般人と何ら変わらないのでは?」


こいつッ……勇者である俺に向かってなんて口のきき方を!


「口を慎みたまえ。この方は仮にも勇者なのだそ。」


会議長がその無礼な貴族をたしなめる。


いいぞ!もっと言ってやれ……!


……でも、なんか俺今さらっとディスられたような。


「そうは言われましても……。

さっきから話を聞いていると、彼が実際に力になりうるほどの実力を持っているかは甚だ疑問に感じるものであって……」


その時だった。


「お父様、彼の実力は本物よ!」


そう声を放った者がいた。


「私はさっきこの街を見回っている時にカルミネの一味に襲われたの!

その時に勇者様に助けて頂いたのよ!」


さっきからこのやり取りを黙って見守っていたクリスタが、俺に助け船を出してくれたのだ。


その言葉に、他の貴族達は「おお!」とどよめく。


しかし、父親からすれば、別の所が引っかかったらしい。


「お前!またそんなことをしていたのか!

お前に何かあったらどうするんだ!

見回りなんてもうやめなさい!」


だが、このクリスタという少女もよほどの頑固者なのか、負けじと父親に食い下がる。


「私だって魔法が扱える貴族の一人よ!

この街を守る義務があるわ!」


クリスタの強い口調に、父親は根負けしたのか、コホンと一つ咳払いをする。


そして気を取り直した様にクリスタに問いかけた。


「では、クリスタよ。先ほど勇者に助けられたというのは誠なのか?」


その質問に、彼女は頷き、あの戦闘についてを事細かく説明してくれた。


クリスタに魔液と偽って普通の水を飲ませた事。


魔法が来ると思って身構えているカルミネに砂を掛けて目潰しした事。


「……で、その……奴が剣を地面に突き刺したと同時に、勇者……様が、剣を持っているカルミネの手を打ち払って……あれ?」


思い出しながら話すクリスタの言葉は、なぜか徐々に尻すぼみになっていき……


彼女の様子は、何故か自信なさげなものへと変化していく……


しかし、せっかくクリスタが出してくれた助け舟に乗っからない理由は無い。


俺はここぞとばかり、自信満々に胸を張った。


「まあ、ハッタリも実力の内さ。」


「…………。」


「…………。」


俺は片目を開けて彼らの反応を覗き見る。


……が



俺を見る彼らの目が、まるで悪党を見る様な目つきになっていた……


……何だこれ?なにこの空気?


「……こいつ、本当に勇者か?」


「……ただの卑怯者じゃないか。」


彼らの口から出てきたのは、先ほどセタスが言っていた事とは正反対の内容だった。


「なんだよ!勝てばいいんだろ?勝てば!

ハッタリを使って何が悪い!」


俺は彼らの心無い非難の言葉に、声を荒げて反抗する。


「勇者はハッタリなんて使わない!

敵に砂掛けたりしない!」


俺は急いでクリスタの顔を見るも、彼女も何だかバツの悪そうな表情で、俺から視線を逸らしている。


「で、でも!助けて頂いたのは事実です!実際にカルミネを撃退したのですよ!」


それでも彼女は俺をフォローしてくれるようだ。


しかし周りはそれでも俺に非難の言葉を浴びせかけた


「いや、そんなものはマグレだ!こいつ、本当は何の実力も無いんじゃないか⁉」


なんだぁ、テメェ……


「お前さっきから言いたい放題言いやがって……

世界滅ぼすぞこの野郎。」


「ひぃッ……!」


思わず放ってしまった俺の一言にその場にいた者たちの顔が一斉に青ざめた。


あ、やべ……やっちまった。


俺は何とか覆水を雑巾で拭きとって盆に返せないものかと思案を巡らせていると……


「報告!報告!」


突如、この会議場に衛兵が滑り込んできた。


「貴様!騒々しいぞ!今大事な話をしているところだ!」


会議長はすぐさまその衛兵を叱責する。


そのやり取りを見て、俺はふと思う。


前世から思ってたんだが……


慌ただしく報告しに来た兵士をこうやって叱るのはどうかと思うんだ。


だって兵士の方も当然、今は会議場に入ってはいけないって事は認識してるだろう。


だからそれでも入ってくるってことは、それよりも緊急の事態が発生しているという事であって……


「申し訳ありません!

し、しかし……今この会議場に武装集団が押し寄せてきております!」


ほらな。


「なんだと⁉悪党集団か!

衛兵は何をしておるのじゃ!」


「申し訳ありません!

敵は先日、アジトを見つけた際に確認した悪党達であると思われます!

あらかじめ打ち合わせていたのか、多方向から攻め込まれた為、あえなく防衛を突破されてしまいました!」


「くそ!奴ら、勘付きおったか!」


会議長はそう言って、唇を噛んでいる。


周りでは貴族達がザワザワと動揺しているようだ。


「ど、どうする!」


「奴らがもうすぐここに来るというのか⁉」


そして彼らの視線は当然――


「……え、俺?」


俺に集まってきたのだった。


「ゆ、勇者様!」


会議長は、俺に懇願するような目で訴えかけてくる。


まずい……。


他の奴らも、俺をただひとえに見つめ、俺のその言葉を待っている。


そんな目で見られても――困る。


やばい……


本当にどうしよう。


しかし何かを言わなければならない俺は……


腰の剣を抜き払い、こう言い放った――



「この勇者と共に戦いたい者は我に続けッ!

そなたたちが勇敢に戦うその雄姿、この俺が後ろからしかと見届けてやるぞッ!」



「……。」



会場は静けさに包まれた。


――なぜだ?


すると、会議長は目をパッチリと見開いたまま――



「……うん。じゃあ、早く。――行って。」



――指をピッピッ、と入り口の外へと指していたのだった。


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