第2話

2


思考は、日々変化して行く。

昨夜はあんなに史上最悪だと思った彼を今は少しだけ仕方がないと思えている私がいる。


むしろ、そんなに簡単に嫌いにはなれないと分かってしまった。


最悪だと思いたいけど、そんな風にしたのは自分なんだと思えば仕方がないと思うしかない。


本当に彼とのラブストーリーは終わってしまったのだろうか?




初めて2人で会った日の事を思い出す。



何度もメールをやり取りしていたが、私が「ご飯誘っても良いですか?」と、メールしても


1週間後に

「忙しくてメール出来なくてごめんね」

と言うメールが来る程度で、全く進展などないままに、数ヶ月が過ぎていた。


久しぶりの彼からのメールは、やっぱりライブのお誘いだった。


でも、この前のライブに行かれなかった私は友達も誘ってライブに行った。



新しいCDの発売を記念したライブだった。

前に見た時と違いドラムを叩く彼は、何だか楽しくなさそうに見えた。

帰り際に、ステージから降りて挨拶をしていた彼に「今日はありがとう」と声をかけられた私は「お疲れ様でした」と答えた。

彼は笑顔で「又、誘ってよ」と言い、私は「社交辞令でしょ?」と笑顔で返すと「そんな事ないよ。誘ってくれないと中々遊びにも行かれなくて」と言った。


そして、又何度かメールのやり取りをして初めて会ってから半年以上経過した6月にようやく彼と2人きりで飲みに行く事になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きっと最後の恋 ももとみかん @mican89

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る