第4話 夏休み前のお誘いバトル
前回のお話ではテストで山宮さんに惨敗したけど全力で挑んだ結果だったから悔しいという気持ちよりも清々しい気持ちの方が強いかな。
それに古木さんとも一緒に勉強会したおかげで今まで見たことない表情とかが見れたのでそういう意味では良かったと思う。
それで今回は……。
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「頼む礼人!一生のお願いだ!」
今の状況を説明させていただきます。
僕が教室入って自分の席に着いてすぐにクラスで唯一の男友達の卓こと相川
「いや、待て待て。一旦落ち着こう」
額には汗とただ事ではなさそうなのは見て分かるがそれにしても慌てすぎ。
まず朝一から何をそんなに慌てることがあるのだ。テストも終わってるし特にイベントと言えばもうそろそろ夏休みに入るくらい。
まさか夏休みに女の子を海に誘うからその手伝いをして欲しいとかじゃないよな?
さすがにそれだったらこの俺でもどうにも……
「礼人…俺同じクラスの永井さんと海に行きたくて、でも2人だと緊張するからお前も来てくれると助かる。そして誘うのも恥ずかしいからお前から永井さんにお願いしてくれないか?」
………………こいつ何なの?
僕の思ってたこと全てを実行してくれるじゃん。しかも全て僕に任せるとか正気か?
「誘うのはいいけどそれ
「それなら仲がいい山宮さんと古木さんも誘おうよ!礼人もその方が気が楽だろ?」
おー…そう来たか。確かに気持ち的には楽になるけど僕もそこまで山宮さん、古木さんと仲が特別いい訳ではないんだよね。
それに山宮さんに関しては誘ったら「何ですか?どうせ私の水着が見たいだけでしょ?」みたいな感じで怒られそう。
古木さんはよく分からないけど何となく来てくれる気がする。うん、本当に気がするだけ。
「とりあえず礼人頼んだ!」
「あっ、ちょっ!」
その言葉だけを残し逃げるように教室から出て行った卓。なんてやつだ。
さてと…2人は席も近いし後でいいとして、まずは永井さんから誘うとするか。
「あの、永井さん」
「えっとー、湯山くんだよね?」
「うん」
彼女が永井
見た目は山宮さんや古木さんと負けず劣らずの顔立ちなのだが中身はめちゃくちゃ乙女で恋バナになると凄い勢いで食いつきニヤニヤしながら話に入ってくるくらい。
よく山宮さんや古木さんと話してると永井さんの見た目とのギャップが凄いと話題になる。
~
永井さんは本を読んでいたので驚かせないように前から行き、軽く名前を呼びかけると気づいてくれて本を閉じてくれる。
「本読んでたのにごめんね。急で申し訳ないんだけど夏休みの予定って空いてたりするかな?」
僕の言葉を聞いた途端少し目を見開き驚いたような顔を見せたがすぐに表情が崩れニヤニヤし始める。
あっ、これ何か始まったな。
「あらあら、私を誘ってるのですか?」
「んー、まあ」
「湯山くんって意外と大胆なんですね」
何やら思わぬ誤解をされてそうなのでここは早くことを済ませよう。
「いや、実は相川くんがみんなで海に行こうって話してて何人か誘おうってなったから誘ってみたんだけどどうかな?」
「相川くんが…ふーん、まあ都合のいいことに夏休みの予定はまだ埋まってなかったので丁度良かったです」
「じゃあ…」
「はい、行かせていただきます!」
「ありがとう」
ふー…これで卓も喜んでくれるな。
後はお2人さんを誘えばとりあえず任務完了って感じか。
イージーゲームすぎるな。
…………………………
「何であんたと行かなきゃ行けないのよ。どうせ私の水着が目当てなんでしょ」
「そこを何とかお願いします」
イージーじゃなくてベリーハードでした。
予想通りではあったけど山宮さんの表情は予想よりも怖いです。
「私はみんなで海とか高校生っぽくて憧れてたから誘ってくれて嬉しいけど」
「古木さんありがとう! あーあ、山宮さんは来ないのかー、ならしょうがないかー、山宮さん抜きで楽しんでくるしかないね」
「えっ?」
「私も唯花ちゃんと行きたかったけど行けないならね」
「えっ?えっ?」
僕と古木さんによるコンビネーションで山宮さんの気持ちを揺らがせていると段々と表情が変わっていき最終的には……。
「わ、分かりましたよ!行けばいいんですよね!」
僕らの粘り勝ちです。
「唯花ちゃん近いうち水着買いに行こうね!」
「そうね」
何だかんだ2人とも楽しみにしてくれてるみたいだし僕も嬉しい。
こうやって夏休みに高校で出来た初めての友達と遊ぶってことはいい思い出になりそう。
色々な出来事が起きる夏休みはもう少しで始まる…………。
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読んでくださりありがとうございます。
今までは主人公の礼人が喋る時『』を使っていたのですが今回からは全員統一で「」にしましたので把握の程よろしくお願いします。
次回の5話につきましては1週間後の7/1を予定しています。
それでは引き続きよろしくお願いします。
暁ノ夜空
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