第3話 同じクラスの女子と勉強会は夢でした
前回のお話では結局山宮さんもお弁当を忘れてしまい3人で学食を食べることにやったのだが、丁度僕の前で唐揚げ定食が完売してしまい山宮さんに怒られました。
あれ以降を会う度に第一声で「唐揚げ定食」と言われるようになり「今度奢るから許して」の一言で期限を取り戻してくれたので一安心。
そして今回は5月下旬に行われた期末テスト…の1週間前のお話。
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「えー、来週は期末テストということで1年生は初めて受ける訳ですが気を抜かず自分自身の全力を尽くして頑張ってください!」
高校に入って初めてのテスト。
あまり勉強が好きではない僕としては気分の乗らないイベントだ。
「テストか。今回は真ん中よりちょっと上くらいでいいかな」
えっ、古木さんそんな調整する感じなの?
てことはやれば出来る系の人ですか?
「私は上位を。あわよくば1位でも取れたら」
この人はもうあれだ。クラスに1人はいる勉強出来る系の嫌な人だ。間違いない
「あらあら、湯山くん随分と浮かない顔してますね?もしかしてお勉強があまり得意ではないのでしょうか?!」
ほら、そういうタイプだったでしょ。
『苦手ですけど何か?』
「可哀想に。まあお勉強が出来ないとなると進級が出来ない可能性もあるのでせいぜい頑張ってくださいね」
うっわぁ、不敵な笑みを浮かべて言ってくる辺り俺のイメージ通りすぎてもはや言葉も出ん。
「まあ、もし万が一湯山くんが私に勝つことがあれば私は何でもしてあげましょう!」
ん、何でも?
今何でもしてくれるって言った?
『よーし、分かった!勝負だ!』
「いいでしょう。まあ私の勝ちは決まってますが」
その余裕が裏目に出るとも知らずに。
こう見えて入試前は寝る時間も惜しんで勉強をしたおかげでまあまあいい成績でこの学校に入ること出来たし。
まあ、今ではほとんど覚えてないけど。
「湯山くん勝てないと思うけどな…」
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「それで…どうして私に?」
『古木さんしか頼める人がいないんです!今回は真ん中よりちょっと上くらいと言ってたので手を抜かれると思ったので勉強を教えてもらおうかなと…』
恥ずかしながら只今同じクラスの女子に全力の土下座をしています。
「教えるのはいいけど山宮さんに勝つのは無理だと思うよ。あの子確か入試2位とかだったみたいだし」
……入試2位とか。どんだけ頭いいのよ山宮さん。
『さすがに自分から勝負だなんて言っちゃったしやるだけやってみてダメならそれでいい』
「ーーーーー分かった。なら私も協力する。やるからには本気でいくからね!」
こうして僕と古木さんによる2人だけの勉強会が始まった。
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「あー、ここの式間違ってるよ。ここはこうして…」
『なるほど。ふむふむ』
「この単語はテストでも間違えやすいから気をつけるように」
『了解です』
「年号は語呂で覚えると頭に入りやすいから自分の覚えやすい語呂を作るといいよ」
『語呂を作ると。確かに覚えやすいかも』
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迎えたテスト当日
「万全の準備はしてきたようですね」
『思いのほか要領が悪くて中々に苦戦したけどな』
「少しだけ期待してあげます」
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テスト返却日
『見事なまでの完敗…』
「あはは…湯山くんも頑張ったんだけどね。さすがに山宮さんが満点を取るとは…ね?」
「今回は全力でいかないと負けそうだったので」
『よく言うよ。余裕だったくせに』
「ふふっ」
山宮さんには勝てなかったけど古木さんと2人で勉強会をしたおかげで前より古木さんと話しやすい感じになれたし、もうちょい仲良くなれたらいいな。
あっ、出来れば山宮さんとももうちょい仲良くなりたいです…。
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それにしても今回は運良く満点取れたけど少しでも気を抜いてたら本当に負けてたかもしれませんね。
彼の努力は本物だったみたいですし。
少しばかり見直しました。
□
山宮 唯花 総合順位 1位/334人
湯山 礼人 総合順位 12位/334人
古木 茉里 総合順位 47位/334人
4話へ続く
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読んでくださりありがとうございます。
次回の4話につきましては1週間後の6/24を予定しています。
それでは引き続きよろしくお願いします。
暁ノ夜空
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