第3話 偽装夫婦、初デート。
ふたりとも準備が整い、街へと繰り出していた。
「今日はいい天気ですね」
「ああ」
ロードの返事は素っ気なく実につまらないものだが、シオリはロードの心境を察しているのか、小悪魔的な笑顔でロードの顔を覗き込む。
「初デート緊張しているのですか?」
「あ、当たり前だろ」
「かわいいですねっ♪」
ロードは顔を赤く染めながらそっぽを向く。
「手・・・繋いでも、いいですか?」
彼女は上目遣いでロードに訊ねる。
「あ、ああ」
「では失礼しますねっ」
彼女はロードの左手を自分の右手と重ねた。
「ロードさんの手、大きいですね」
「シオリさんの手は小さいですね・・・」
ふたりとも初心な反応。周りの人たちは温かい視線を送っている。
「まずは何から買いますか?」
「そうですね、まず野菜からでしょうか」
「わかりました」
野菜が売られている所へと向かう。
「どれにしましょう」
「自分にはよくわからないですね。なのでシオリさんにお任せします」
「わかりました」
シオリは真剣に吟味しながら野菜を手に取りお昼ご飯の献立を考える。
(まずはロードさんの胃袋を掴みたいっ!)
(シオリさんやけに真剣な表情で野菜を選んでるな・・・。それほどご飯に力を入れてくれる人なのかな?お昼ご飯楽しみだ)
シオリは真剣に吟味し、厳選した野菜を購入。
「毎度ありっ!」
「次はお肉屋さんに行きましょうか」
「わかりました」
そう言うと彼女はロードの腕に自分の腕を絡ませた。
(うふふっ。ロードさん狼狽えています、かわいい♪)
(腕組むのは嬉しいけど、恥ずかしいな・・・)
それからふたりは肉を購入し、これから共に生活する家へと帰宅した───。
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