第2話 同居生活、開始。

「それはこっちにお願いします」

「了解」

 今日から"偽装夫婦"として同居生活を開始するロードとシオリ。そのため今朝は、前住んでいた家からこれから住む家に荷物を運びこみ、荷ほどきをしている。

「これが最後ですね。それはあちらに」

「了解」

 最後の荷物を運びこみ一段落。

 縁側に座り、シオリは荷物を運んでくれたロードにお茶を出す。

「お疲れ様でした」

「ああ、ありがとう」

 ふたりタイミング揃ってお茶を啜る。

「これからどうしますか?少し早いですがお昼にしますか?」

「そうしたいところですが、生憎食材がないのでふたりで買いに行きましょうか」

「そうですねっ、そうしましょう!」




 妻、シオリ篇

 

「それはこっちにお願いします」

「了解」

 今日から私は"愛し"のロードさんと"偽装夫婦"として同居生活をする・・・。

 (や、ヤバいわ。緊張してきたっ。だって五年間ずっと想い続けてきた彼とこれから共に過ごすのよっ!?夢みたいだわ!)

「これが最後ですね。それはあちらに」

(あくまでも平静にっ。これでも伊達に諜報部として活動していないわ)

「了解」

 最後の荷物を運びこみ一段落。

 縁側に座り、私は荷物を運んでくれたロードさんにお茶を出す。

「お疲れ様でした」

「ああ、ありがとう」

(少し額に汗を掻いている・・・。水も滴るいい男ってやつかしら)

 ふたりタイミング揃ってお茶を啜る。

 私は興奮を抑えるためにも、今後の予定を相談する。

「これからどうしますか?少し早いですがお昼にしますか?」

「そうしたいところですが、生憎食材がないのでふたりで買いに行きましょうか」

「そうですねっ、そうしましょう!」

(やったわ!これは実質初デートよっ!気合いを入れないとっ!)




 夫、ロード篇


「それはこっちにお願いします」

「了解」

 今日から"偽装夫婦"として俺の"愛する"シオリと同居生活が始まる。

 正直滅茶苦茶嬉しい。一生分の運を使い果たしてしまった勢いだ。

「これが最後ですね。それはあちらに」

「了解」

 最後の荷物を運びこみ一段落。

 縁側に座ると、シオリさんが俺にお茶を出してくれた。

「お疲れ様でした」

「ああ、ありがとう」

 笑顔がかわいい。一瞬にして疲れが消し飛んだ。

「これからどうしますか?少し早いですがお昼にしますか?」

(確か食材がなかったから、これを機に・・・)

「そうしたいところですが、生憎食材がないのでふたりで買いに行きましょうか」

「そうですねっ、そうしましょう!」

 シオリさんは嬉しそうに歩きながら、自室へと向かっていった───。




 諜報部リーダー、クロード篇

 

(そろそろ荷ほどき終わったかな・・・)

「リーダー、仕事して下さい」

「ああ、すまない」

(今日から進展するかなあ。いやでも、まだ同居生活初めて一日も経っていないからそんなに早く進展しないかな。いやでもでも第三者からしたら───)

 リーダーはロードとシオリのふたりを心配し、終始その日の仕事は手が着かず、秘書が代わりに仕事をしたのだが、それはまた別のお話───。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る