着付け教室レポート その2


 さて、私は着付け教室を二回も同じコースを受けさせてもらえるという、たいへんラッキーな状態でありました。

 貧乏性な私は、全て受講しましたとも!

 今、考えると、本当に丁寧に教えてくれて、有り難かったです。月に二回ほどの教室でしたが、とても楽しかった!

 基本中の基本でしたが、やはり基本が一番大切なのだな、と、ひしひしと感じております。先生、ありがとうございました。

 そんな先生の教えをできる限り、紹介していきたいと思います。着付けの参考にでもしてください~。



 私はこの着付け教室で、名古屋帯、袋帯のお太鼓結びのやり方を教わりました。それも、捻る結び方ではなくて、クリップで背中の帯下を留めるやり方でした。

 着付け動画を見るかぎり、けっこう珍しい結び方かも。パタッっと折り紙みたいに折る結び方なんですけどね。

 この、帯に関しては、また別で書きたいと思ってます。帯、色々と奥深いです。

 また、先生はどちらかというと正統派、基本を教える先生でしたので、長襦袢をしっかり着ることを推奨されておりました。なので私も、ウソつき衿が苦手になっております。

 それで、ですね。着物の着方でのちょっとした工夫というか。細かいけれど、これをやると綺麗になるポイントを先生は幾つか教えてくださっていましたので、それを書いていきますね。



 その1。長襦袢の衿は胸の上、真っ直ぐなバツをちゃんと腰までそわせること。

 長襦袢の衣紋って、とっても重要。ここが崩れる着方をしてしまうと、後でグズグズになること間違いなしです。

 基本は背中心が真っ直ぐ、衿は左右対称にする。で、ここで衿をクロスさせるポイントとして喉のくぼみを示されることが多いのですが。問題は衿をクロスした後!

 衿が胸の膨らみの上にちゃんと乗っていなかったり、アンダーバストでぎりぎりに腰紐を結べていなかったりすると、衿が浮いてきてしまうんです。

 それと、クロスさせた衿を真っ直ぐにしていない場合も、衿が歪んでしまう原因に。ここをきっちり真っ直ぐにさせて、それから背中のシワを取りつつ衣紋抜きの最終チェックをすると長襦袢が綺麗に着れます。



 その2。長着の腰ひもを結ぶ時、長着をきっちり上げきってしまっておくこと。

 腰ひもを結ぶ際、ごちゃっと巻き込んでしまうのは緩みの原因になってしまいますから、かき上げるようにして胴回りはスッキリさせて結ぶこと。あと、腰ひもは面で使う方がしっかりとめられますよ~。

 長着の腰ひもがちゃんと結べていると、おはしょりが綺麗です。



 その3。コーリンベルトは左右対称にとめること。そして、コーリンベルトをした際、右手側でおはしょりの内側になる布部分を、三角に折り上げておはしょりをすっきり綺麗にすること。

 コーリンベルトをすると、やはり衿が崩れにくいです。そしてこの、おはしょり部分を三角に上げることをやっておくと、おはしょりが本当にすっきり綺麗に見えます。ちょっとしたことですけど、良いですよ。



 その4。お太鼓結びをする時、帯枕を入れるのはなるべく背中に近く―腕がつりそうになるけど―、帯枕を入れた辺りのシワをなくすこと。

 背中から離れるほどにだぶつく布が増えてしまうし、シワがあると最終的に綺麗な四角にならないことが多いです。

 私は利き手の癖で、お太鼓の右側が上がりがち。そういう自分の癖も気付くと修正できます。



 と、ここまで書いてきましたが、先生曰く

「まずはたくさん着ること。数をこなさなければ綺麗に着ることも、着崩れしにくい着方もできませんよ」

 だそうです。とにかく着る。着崩れてもいいから着る。

 むしろ「着崩れる着方を知れていい機会と思いましょう。たくさん失敗して、失敗する着方をちゃんと覚えること」とまで言われました。

 着崩れを恐れないこと、と言うのは、よく教わりました。先生はとにかく、着て歩いて、立って座っての動作をして覚えろ、という人でしたので。

 ちなみに衣紋が前につまってきてしまったら、長着の裾をたくしあげて長襦袢の背中心を下に引っ張ると、ちょっと後ろにもどってくれます。

 あと帯も、帯下に手を入れてすーっと横にスライドさせていき、背中でちょっと持ち上げるようにすると、下がってきている帯をあげることができます。

 初めのうちはちっとも綺麗に着れないし、着崩れて慌てたり、みっともない格好かと恥ずかしく思ったりしましたが、それすらも楽しんでしまったら良いという先生の教えはずいぶんと気が楽でした。

 ただし、先生は正統派の教えでしたので、わざと着崩れさせることは良しとはしてくれませんでしたけどね。

 ブーツにあわせて裾を上ぎみにすることや、せっかく縫い付けた手拭い半襟を見せたくて、たっぷり半襟を出して着た時なんかは、やんわりとだけれど「そうした着方は正しくありませんからね」と注意されました。

 まぁ、正しいとされる着付け、今では破りまくってますが。

 ただ、式服といいますか、格式高い、綺麗な着物のこうあらねばならぬ、というお手本をしっかりと知っておくというのは大切なことでもあります。

 先生と呼ばれる人達が築き上げてきた作法というものの大切さを理解して。その上で自由にカジュアルを楽しんでいきたいです。

 服装というものは、その人の一番外側。けしてその個人と無関係ではないものです。

 外側だけで人を判断はできませんが、外側の美意識というか主張せんとするものは、やっぱり内側に通じている、というのが持論です。

 あ、これは着ている物の価値とか値段とか、ブランドの話ではないですよ。その人が身に纏うものに個性が出て、それぞれの個性が素晴らしいよね、という話です。

 できれば私の和装を目にした人が、「あ、着物って素敵かも」って思ってもらえるような着方をしたいものです。もちろん、私らしい着物の姿で。

 その為にも、もっとたくさん着物を着なきゃ! と意気込んでいる日々でした。 

 









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