不安だったこと
今でこそ、メンタル図太く着物を楽しんでいる私ですが、それなりに悩みや不安がありました。
そうしたマイナス面、ネガティブ面を、そろそろ書いても大丈夫かなと思えたので、書いていきたいと思います。
これね、まさに今、こういうことで悩んでいる人がいるかもなーって思って、自分はどうやってそれを乗りきったのかも書いていきますね。
まず一つ目。
家族に「そんな格好、恥ずかしい」「周りに知られたら嫌」って、言われたらどうしよう………。
これね、私にとっては、一番、気になったことでした。
子供に「そんな格好しないで」とか、「友達に知られたら嫌だ」って言われてたら、たぶんこんなに堂々と着れていなかったです。
着てみたら、子供はなんと「お姫さまみたい」「綺麗!」と、いっぱい褒めてくれたんですよ。
私が「お友達に知られたりしたら、恥ずかしくない? お母さんがこんな格好してたら、変に思われちゃうこと、ないかな?」と聞くと。
あっけらかんと「お母さん、着物似合ってるし、気にしなくていいよ。変なこと言ってくる子、友達にいないし平気」と笑って言ってくれました。
しかしながら、最初の頃は物珍しかったのでどんな着物でも褒めてくれた我が子でしたが、今じゃ半幅帯だと「普通? だね。もっと綺麗なの使ったらいいのにー」と駄目出ししてくるまでに。
着物姿のお母さんに見慣れてしまって、よっぽどかっちりとよそ行きの着物でないと褒めてくれないという、トホホな事態になっております。
ちなみに旦那さんは、最初のころ「一緒に歩きたくない」と、けっこう拒絶反応を見せておりました。どうにも「コスプレっぽい」とのことで。
でも「着るのを止めて」とは言わず、いつの間にか慣れてくれました。
たぶん旦那様も、実際に着物を着ていると起こること、を、正確に知ったからかと。
着物の姿でいても、じろじろ見られることや、ましてやその格好に文句をつけられるなんて、通常の生活ではほとんどありません。少なくとも、私の経験ではありません。
2021年現在、もしかしたら、着物をとり巻く環境が変わってきているのかも。綺麗ではない着物、普段の着物という概念が、少しづつですが一般に出回りつつあるような、そんな空気も感じます。
普段着の着物を褒められこそすれ、注意されることは滅多になさそうです。
ちなみに母や親戚の伯母様方からは大歓迎されました。着物持ちの年配女性がだいたいお古くれます。
そんなわけで、私は幸運にも家族に受け入れてもらって、着物ライフを楽しめています。
不安だったこと、二つ目。
着付けが間違っていたら、どうしよう。
知識がないので、場に相応しくない格好をしてしまっていたら恥ずかしいなって、かなり外出するのが躊躇われました。
はい、完全に自意識過剰です。思い込みって怖いですね。って、今なら笑い飛ばせます。
そもそも論、着物を自分でちゃんと着られるって人がもう少数なんですよ。
で、その中でも普段着の着物の着方をしっかり把握している人って、本当に少数です。絹の着物じゃないんで~、カジュアル着物です~、で、だいたいすんでしまいます。
何回も書いていますが、普段の装いに文句を言いにくるようなヤバイ人は、基本的にいません。
もしかしたら、お式ごとだといるかもしれませんが、それはきちんとその場に相応しい格好をしない方が悪いと思っています。さすがに、そこでは言われても致し方なしです。
ただ普段に普段使いの着物では、ほとんど言われません。あ、何故か浴衣に厳しい人はいるみたいなんだけど。
浴衣に厳しい人って、私からしたら意味が分からない。だって浴衣って超カジュアルで、ジーパンとTシャツとか下手したらジャージとかスウェットですよ。それに正しい着方とか…………いやいや言わないでしょ。
そんな格好でみっともないっていうのはあるかもだけど、ジャージで出歩いてる人だっていっぱいいるし。その人達にはわざわざ「みっともない」って言いにいかないでしょー。
と、いうわけで。普段着物では着付け云々を言ってくる人はいません。会ったことありません。杞憂です!
皆さん、安心してカジュアル着物を楽しみましょー。
三つ目。
お値段が高い。家計圧迫したら、どうしよー。
これも切実でした。それに、これはある意味で真実。着物はアパレル業界。お高いものはお高いんです。
着物だけじゃなくって、服って高いものは高いでしょう? ブランド品やオーダーメイド(お仕立て)は、やっぱり高い。当たり前のことですね。
しかしここで逆の発想になり辛いのが、着物の落とし穴。
着物だって服。つまり、シャ◯ルやプ◯ダがあれば、ユニ◯ロやしま◯らだって存在する。服だと考えれば、自然と分かるのですが。
生活する場面場面によって着るものの質を変えるって、多くの人がやっていることなのでは。
よく調べれば、着物でもプレタ(お仕立てでないもの)はあります。多く出回っている浴衣はプレタですよね。
新品でなくとも、十分に着られる古着の着物がお安く手に入ったり。ポリエステルも改良されて、一時よりずっと安価で着やすい着物が売られていたりします。
きちんと調べれば、そう負担になる金額でなく着物を楽しむことができるって分かって、ずいぶんと気が楽になりました。
ただ…………気楽ゆえに、買い過ぎてしまうこともっ。リサイクルショップで浴衣のセールをやっていて(800円だったんですっ!!)気付けば三着買ってた………………イカンイカン。気を付けましょう!
他にもあるけれど、とりあえず大きな不安だった四つ目。
外出して着崩れたらどうしよう!
これはねー、初心者にはつきまとう不安。そしてだいたいが的中します!
失敗はつきものなんです。特に始めたばかりの頃なんて、グズグズでゆるゆるだったり、逆にきつく締めすぎてシンドかったり。
うわぁっ、どーしよ、ってなことに私はなりました。なってしまいました。
で、これの解決方法。
失敗も楽しむこと。その経験をいかすこと、です。
着付けの先生は「失敗しないと具合良くなんて着られないんだから、どんどん失敗しなさい」とまで言っていました。
具体的な解決方法としては、まずは着ている時間を短く設定しておくこと。
私の場合は、部屋で着付けできるようになったらその格好で近所を散歩してみました。五回くらい繰り返しましたね。
歩いたり座ったり、草履を履いたりと。近所のおば様方にずいぶんと褒められて(小さい子がパジャマを着れて「上手よ~」と褒められるのと同じだと、今なら分かる!)ほっとしました。
出歩けるようになったら、ほんのちょっと遠出して喫茶店でお茶する時に着て。帰ったら洋服に着替えるってことをして。またこれを繰り返して。
で、自信がついてきた頃に気が緩んで、ぐっだぐだな着崩れしてこりゃマズイと大焦りしたりして。
そうこうしていたら、あれっ今日、半日着物でいるじゃん、って日があり。
ついに、あ、今日は丸一日着物で過ごしたわーって日が訪れました。
今でもこの不安はありますが、これは何度も着ていくしかないですね。着て、失敗して、学んで、慣れて。
でもその失敗も楽しいんです。たぶんそれは、私の周りの人達のおかげなのですけど。
着物でいた時、本当に嫌な態度をとられたことも、変なことを言われたこともない。皆、とても自然に、普通に接してくれて。
だから失敗も楽しい思い出なんです。有り難いことに。
着物でお出かけするって、不安があるのは当たり前のように思います。だって見回してみれば、誰もそんな格好で出歩いたりしていませんものね。
焦る必要も、無理をする必要もありません。もちろん、我慢なんてしてはいけません。
好きな時に、着たいように、楽しんで着物姿でいましょう。それが一番良いんです。
着たいなぁって思って、不安があってもえいやっ! て、やってみたら、なんだ杞憂だったかって分かることもあります。
どうぞ、楽しんで。そうしたらきっと、素敵な着物姿の貴方が出来上がりますから。
確信を持って断言しますが、そうなったら無敵です。着物ライフを是非とも満喫してください!
たくさんの人が着物を楽しんでくれる未来を夢にみて。私も楽しんで着物、着ていきます!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます