知的生物の誕生と営み
聖書 獣と心
神は獣から獣人を作られた。
まずは火を与え、知識を与えた。
獣人は瞬く間に広まり営みを続けたが神を敬わなかった。獣の血が神を軽んじさせ、信仰の尊さを知る事ができなかったのだ。
獣人には心が欠けていた。信じる事、愛する事が、彼らにはできなかった。
嘆いた神は人を作られた。獣人と違い、人は神の身姿に似せて地に降りた。我々はそれを喜び感謝せねばならない。偉大な主があり、はじめて我々の命が授けられたのだから。
しかし人は非力であった。
牙も爪もない人は獣人に殺され、時には捕らえられ虐げられた。
神はこれを嘆き一匹の獣人に知恵と心を注ぎカイウスと名乗らせ、獣人達に信仰を説かせたが、獣人達はそれを笑いカイウスを追放した。
それから人と獣人の間で戦いが起きた。
知恵を使い自由を得よと天使が鼓舞し、奮起した。
しかし人が持つ慈愛に満ちた心が暴力を躊躇させ、冷酷なる獣人に殺されていった。
それを見たカイウスは嘆き神に祈った。「主よ。どうか憐みを」と。
「万物満ち満ちて万象に幸あれ」
神は祈りを聞き届け、カイウスを除いた獣人達を全て別の土地へと移し、この世を我らに与えてくだすった。
人は喜びと感謝を示し、五日間の間不眠で祈り、その後二日余りを眠り過ごした。カイウスも人に混じり祈りを捧げたが、一日早く目がさめた。
カイウスは隣で眠るアリエーを見ると、獣の性が目覚め、彼女に子種を注いだ後、姿を消した。
アリエーは身篭り、子をペッカタムと名付けた。ペッカタムは、カイウスに僅かに残っていた獣を宿していた。これが、我々が持つ原罪である。
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