第12話・練習試合

 俺が進んだ高校の名は平業。

 今の平業高校へいぎょうこうこう野球部のチーム事情。

 専任の投手は国光さんと堂本さんの二人のみ。

 正捕手だった選手は怪我で離脱したために控えメンバーで急造。

 野手は強豪レベルが多いが、穴が空いてるポジションがある。

 国光さんも、本来は俺達に打たれることは絶対に無いほどの実力があるが、急造捕手が捕れるボールを投げるとなると、どうしても甘く入るらしい。

 実際森本と組ませたらあれよあれよと皆三振していった。

 練習設備は廃校になった学校の器材をなんとか引き取って直しながら使っていること。

 他にも上げたらキリがないが、とりあえずグラウンドは一つ確保しているため、野球部の練習、及び試合はできる環境であることは分かった。


 以上のことから、森本と郷田はスタメンとして、俺はリリーフとしてベンチに入ることがほぼ確定している。

 そのため、急ピッチで選手メニューをこなし、戦力として仕上げなければならない。

 島野、田浦、荒巻、青山はこれからの練習を見ながら、先輩たちと熾烈なレギュラー争いをしていくこととなる。


 そして、やっと来た5月。

 月始めに、監督が告げてきた。

「今のチームの状態を見るため、急遽練習試合を組ませてもらった。試合は来週な」

 本当に急である。


 ノックや実践練習でチームの連携を高め、何とか試合に付いていけるだろう状態に適応した俺、森本、郷田。


 真新しいユニフォームに袖を通し、平業のイニシャルのHが青く刻まれた黒い帽子を被る。

 俺達は平業野球部のチームの一員として、他校と練習試合に挑む。


 以下、本日の平業スタメン。

 一番ショート烏丸(二年)右投、右打

 二番センター藤山(三年)左投、両打

 三番ファースト郷田(一年)左投、左打

 四番サード嶋(三年)右投、左打

 五番ライト石森(二年)右投、右打

 六番セカンド星影(三年)右投、左打

 七番キャッチャー森本(一年)右投、右打

 八番レフト鷹山(三年)右投、両打

 九番ピッチャー国光(三年)右投、右打


 対戦校、霧城高校むしろこうこう

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