第13話・チームのレベル
平業の選手レベルは、日本の中でも上位、いトップクラス。
その中でも何人かは甲子園常連校からスカウトされた選手がいる。
では何故大会で勝てないのか。
同地区に強いチームが集中してる中で、勝てる人員はいるのに、勝てない理由。
ズバリ、層の薄さである。
投手専任は二人。
捕手は急造。
野手はポジション被りでコンバートの連続。
本来のポジションでやむなく勝負できない選手が多いのだ。
そのため、ずっと続けてきた選手に比べると、どうしても劣ってしまう。
そこが穴になるのだ。
特に急造捕手はチームにとって痛手だ。
怪我で離脱した捕手があまりに優秀だったので、それを埋められるだけの捕手は、普通校には基本集まらない。
なので投手はどうしても本来の力を抑えなくてはならない。
森本の存在は監督にとっても、選手にとっても、ありがたいことだろう。
さて、そんなこんなで新生チームの初の練習試合。
必ず登板させるという旨を指示されたので、ブルペンで肩を作りながら試合を見る。
平業は後攻。
対戦校で先攻は霧城。
地区の決勝は常連で、甲子園優勝経験もある学校。
何でも、とんでもない怪物打者の一年が入学したとの噂がある。
エースはフォークが武器の右腕。
練習試合の相手にしては、随分と壁が高いものだ。
整列、挨拶が終わり、いよいよ試合開始。
ちゃんと俺も整列したからね。
ベンチでは国光さんと森本が短い会話を交わし、それぞれのポジションにつく。
スローカーブ、フォーク、高速シュート。
三種の変化球を自在に操る国光さん。
全てはたった一つのストレートを活かすため。
そのために習得された変化球だ。
一番打者から既にその右腕がものをいう。
ゾーンに出し入れしながら、確実にカウントを取り、気付けば追い込まれ。
フォークでバットが空を切る。
これこそが、国光さんのピッチングスタイルである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます