第64話 設定、専門用語他2

新共和BA


アールブⅡ型・重力下/砂漠仕様 BA-09Rb/Ⅱe2D

eは地上型、数字は改修バージョン。Dは砂漠仕様を示す。

D型はアールブデザートの通称で呼ばれる。

※標準色塗装は本編未登場 


 アールブⅡが宇宙での空間機動戦と軌道上から地球への

 直接強襲作戦を前提にしているのに対して、e仕様は重力下での

 運用のみに特化し、タイプ6をベースに主翼形状、エンジン等の

 仕様に大幅な変更が成されている。


 地球上での最高速は通常型に劣るが、翼形状の見直しによって

 小回りが効くようになり、推力もジェットエンジン仕様とし

 航続距離も大幅に伸びた。

 通常型のクランクドアロー翼に対して、可変翼であるため

 外観の印象は大きく異なるが、実はそこまでの違いはない。


 人型形態をとっても標準機との見た目の違いはバックパック程度。

 ナミブの全機体は全てe型で、配備が始まったばかりの

 最新鋭機タイプ2砂漠仕様。


 推進器がジェットに換装されているため、高高度や宙間での

 運用は出来ない。当然、大気圏突入機能も無い。

 D仕様は砂漠仕様として砂やホコリ、気温対策のために

 出力が減少し、戦闘機形態の最高速は通常の地上型の

 e型よりさらに遅くなった。

 通常は2機で一個小隊。


 基本装備は通常のⅡ型と共通。

 レーザーガンと高周波スピア。翼にミサイルを2基搭載可能。

 独自の武装としては装備したまま飛行、変型も可能なミサイルポット。

 レーザーガンと選択装備で専用のレールガンライフル。


 その他戦闘機形態限定でミサイルを二機、もしくは六連装ミサイルポッド、

 人型形態限定で要撃戦用ミサイルランチャー等。


 標準塗装はライトブラウンにダークレッドのライン。



アールブデザート 特技専BA隊 所属機

 ナミブ配備の機体は、ダークベージュに標準色よりやや明度の高い

 レッドのラインが入る。

 戦闘機形態の機首部分に新共和の国籍章、主翼に部隊マーク。

 尾翼と、変形後の胸に機体のナンバリングは共通。

 現地でやや銃身が短く、威力は減ったが連射性を重視した

 速射砲を製作しており、これを装備する場合が多い。


 通常は2機で1個小隊だが、特技専では任務の特殊性から

 3機で1個小隊。(作戦行動中、一機は即応体制で待機)

 ※ウォータークラウン襲撃時も甲板上に三機待機していた。

  完全に虚を突かれたため指揮の乱れで即応できず、

  これをマニィに戦闘を前提としていない部隊、と言われた。


 特技専の機体は、異様なまでの攻撃力を誇るがこれはパイロットの腕に

 よるものが大きく、カラーリング以外はほぼ標準のまま。

 ※ジョンに無能部隊呼ばわりされているが、ウォータークラウンで

  奇襲を受けた際、一歩遅れて応戦に出た第2小隊は全機

  ほぼ無傷で敵を退け、小破扱いになった機体さえなかった。

  BA同士の接近戦でこの結果は、通常あり得ない。


 第1小隊機ES111~113、第2小隊機121~123の

 六機のほか、予備機としてES100の七機が配備されていたが

 予備機ES100は、改装の上機体ナンバーをCP612に変更。


アールブデザート

 特技専 独立戦術航空隊 所属機 CP612

 ※独立戦術航空隊はRB037とCP612の二機が所属。

  要はクレセント特佐の為の部隊で独立行動が認められている。


 ナミブ配備の予備機ES100を、如月の機体として

 カスタムした機体で、ナーバスの強度可変がコクピットで

 出来るほか、数値自体も通常より高く設定することが可能。


 また、如月という優秀なテストパイロットを得たメカマンチーフの

 思いつきを、そのまま実用試験に移すテストベッドでもあり

 外からでは見えないが、特に対セブンス戦以降は細かい部分が

 通常型とはだいぶ異なっている。


 

 見た目は標準機に準じるが、通常、出撃後は変更の出来ないはずの

 ナーバスの同調率をパイロットの任意で変更出来るようになっているほか、

 一部の動作リミッターの限界値が、常識を外れた数値に設定し直されている。

 (解除したわけではない)

 これは如月の適性を見て取ったマニィが、機体性能をフルに

 使えるようにした方が良い、と言う判断をしたもの。


 機体ナンバーのCP612は

 特技専 独立戦術航空隊 “クレセント教導隊 第1小隊2番機”

 を示す。

 600番台はナミブでは空き番号なので割り振られた。


 一番機は当然、マニィの機体だが機体番号はRB037のまま

 変更は無い。


 機体色はそのままだが、ラインがツヤありの

 ルビィピンクに変更され機体ナンバーも

 黒ではなくグロスレッドでかかれる。

 主翼の部隊章の入る部分には特技専では無く、

 ルビィズのマークが付く。



アールブ・早期警戒/電子戦仕様 BA-09Rb/EX(w)・ w 

アールブ(改)・スカウト

※本編未登場

 アールブを偵察用途に改造した機体。ベースはⅠ型、Ⅱ型両方あり

 当初は余剰機や修理に回った機体などが改造のベースになった。

 Ⅱ型ベース機はw仕様で新造された機体もある。


 復座なので胴体部分が若干延び、クランクドアロー翼も一般型とは

 若干角度が異なるが、ほぼ見た目は変わらない。

 機体上部と主翼下の計三箇所にオプションのレーダーを取り付けて

 そのまま大気圏内を飛行、変型することが可能。


 連邦が装脚戦車に同行させるため、攻撃力は激減したものの

 強引に戦艦用レーダーを搭載する装脚戦車を試作し、装脚戦車隊と

 おなじ速度で移動し、周囲哨戒、データを共有する。と言う機体を

 南米で数両実戦投入しており、考え方はそれに倣ったもの。


 

 カタチはアールブだが、強力な索敵用機器を搭載したため

 重量とスペースが増加し対人攻撃用火器は全て取り外され、

 内蔵武器も無し。

 火器も、実弾で連射の出来ない短銃身アサルトライフルのみ。

 



 内蔵火器を全て廃してレーダーを搭載したため、もともと

 積載量はゼロであるアールブに荷物積載のスペースが生まれ

 荷物の積載の他、無人探査機三機の積載、運用が可能。


 これを効率よくコントロールするため新造機w型はナーバスが

 二系統搭載され、サブの系統は機体制御・センサーアレイから

 切り離せる。ナミブ配備の機体もベースはこのタイプ


 専用機を用意しないでマルチロール機で全ての任務をまかなう、

 と言う考えの元に、強攻策敵を念頭に企画された機体で

 宙間の強行索敵の他、地上の拠点が少ない新共和には

 マルチロール機が必要である、という発想であったが

 結局攻撃力はないに等しくなった。


 イメージとは逆にミサイルやオプション火器の装備が

 一切できない為、武装は連射機能の無いアサルトライフルのみ。

 当然、威力偵察などには向かない。


 但し、ナーバスと連動した索敵能力は特筆すべきもので

 これを受けて一定数が予備機から改修されることになった。

 当然に偵察・哨戒任務につくことが多く、地上配備の機体は

 変型すると機動力が落ちた上に目立ってしまうため

 運用上で変型した実績がない機体も多い。

 

 通常の偵察機も各地に配備されており、

 当然、アールブスカウトより数も多い。

 カラーリングは側面に黒のラインが入る以外は配備部隊により様々で

 配備場所によっては、ロービジ塗装や迷彩塗装の機体もある。



 復座であることから練習機や連絡機、索敵能力の異常な高さから

 場合によっては、要人移動用の機体として運用されることもある。

 現状、二〇機以上が初期型から、一〇機弱がⅡ型から改修され

 Ⅱ型仕様の新造機も一〇機以上製造されている。

 このうち地上軍で二〇機前後が運用されている。



アールブ・早期警戒/電子戦仕様 重力下専用型試作機

XBA-09Rb/w・eD アールブ・スカウト地上型砂漠仕様

 型番のXは試作機・試験機を

 eは地上型、Dは砂漠仕様を示す。


 マニィと如月の“お使い”に使われた機体。

 一応、如月の実地訓練の意味合いもあったようで

 完全リモートでも操作ができるらしく、制御不能に供えて

 ナミブ側ではカヌテ中尉がパイロットとして待機していた。


 ナミブのw型は推進器をアールブe2D型と同じ

 砂漠仕様防塵ジェットエンジン、主翼も同じく可変翼に

 換装したものを試験的に運用している。

 エンジンは同型だが、翼はやや広く長い。

 最高速はe2Dよりもさらに落ちたが、原型機に比べ

 作戦行動時間は最大三倍強にまで伸び、静音性も向上した。


 外見は胴体が多少長くなり赤のラインが黒になる以外は

 ナミブ配備の一般型2eD仕様と大きな差違は無い。

 扱いは試験機ではあるが通常運用がされている。

 

 地上配備型はこのタイプに統一される予定だが

 現状はナミブ配備のw・eD初号機、機体ナンバー

 ES301の1機のみが存在し試験運用をしている状態。

 

 索敵任務はほぼ無いものの、哨戒/連絡機として運用しながら、

 飛行評価試験中であり通常、ライフルは取り付けてられていないが

 一般型アールブデザートと同仕様のアサルトライフルが装備できる。



新共和BA  XBA-07Nq 人型機動兵器実証実験機

       BA-07Ns セブンス 全領域仕様 

       BA-07Ns/e セブンス 重力下仕様

       BA-07Ns/r セブンス ルビィズ仕様

       BA-07Ns/c セブンス 式典仕様 


※07Nq、07Ns、r型、c型は本編未登場。  


e型は地上用として生命維持装置の一部やセンサー類を見直し

宙間機動用の姿勢制御スラスターの大半を廃したもので、

見た目はほぼ同じだが主機は別物。 

r型は作戦行動時間を犠牲にして極限まで機動性をあげたルビィズ仕様。 

c型は装飾を施して式典仕様としたもので正規型番ではない。 


BA-P00、BA-01、02は机上プランのみで実機が存在しない。

BA-03~06は試作機を製作したものも含め実用段階に

至ることはなく全てプランごと廃棄。

ペットネームが付くことも無かった。


※ペットネームとして開発ナンバーをもじって『モンスター』の

 名前をあてる事にしたのは次期型BA-08Ag『オーガ』から。

 セブンスは当初、量産どころか試験的な実戦投入さえ

 するつもりがなかった。


 史上初めて実用域に達したBAバトルアーマー

 連邦の、特に地上軍の兵士達からその姿が見えたらおしまい。

 とまで言われ、通常戦車隊からも天敵として恐れられた機体。


 本来は重量化、複雑化する変型機構を取り除いたBAの動作試験の

 の意味合いが強い機体で、当初は五機だけ製造し動作試験のみを

 行う予定だったが、予想を遙かに上回る性能を見て、

 急遽正式採用された。


 記録では通常型18機、地上仕様e型39機の他、

 特務隊仕様r型2機が、初号機ロールアウトから1年以内という

 異例の速さでそれぞれ実戦投入されている。


 実戦投入から一年半、コンセプトを引き継いで完成度を高めた

 後継機、オーガの投入を受け、当初の予定通りに

 入れ替わりで退役し、戦場からはたった3年弱で姿を消した。

 現用機は式典用として本局で使用されているc型三機のみで

 r型から改修された2機と、通常型から改修された予備機の1機。



 ダークレッドとガンメタルのゴツい外観。

 主武装は宇宙艦艇副砲用をそのまま小型化した肩のビームカノン。

 その他人間用装備を単純にスケールアップしたアサルトライフルと

 超鋼金属製のメイス。

 余剰となった空間には対人、対空の装備として機関砲や

 グレネードが搭載されており、それは最新型のアールブも

 変わらずBAの標準となっている。


 もちろんナーバスが搭載され、後発の機体には及ばないが

 既存兵器では捉えきれない程の高機動を誇る。


 旧時代の設計図から、実現が出来ない可変機構を取り除いて

 簡略化した機体だが可変機構を省いたせいで全般性能が

 数値が出るほど落ちているらしい。

 理由は不明で技術陣が頭を悩ませている。


 ビームカノンのチャージには三〇秒前後かかるが、

 機動兵器搭載の武器として出力は現在でも破格。


 その他、機体の大きさと出力の余裕からバリアを装備し

 強力な各種センサーを搭載した事による索敵能力と

 ナーバスとの協調によって、相手がミサイルであろうが

 照準さえ出来れば、撃った全弾がほぼ命中する。と言う事態に陥り

 連邦の部隊を恐怖のどん底に叩き落とした。


 宙間機動戦では航宙戦闘機を全く寄せ付けず、艦艇の

 ブリッジを叩き潰しエンジンをピンポイントで打ち抜いて、

 次々と行動不能にした。


 地上戦においても戦闘機をごく簡単に打ち落とし、

 地上施設を次々メイスで叩き潰し、戦車も一番丈夫なはずの

 正面からレーザーでぶち抜かれた。


 同じくナーバスを搭載しているはずの装脚戦車さえ、

 見た目を大きく裏切る機動力で踏みつけにされた。


 また、内蔵した複数の拳銃弾を使う機関銃や

 小口径グレネードランチャーは、連邦軍歩兵部隊を文字通りに

 蹂躙した(初戦時に対人兵器の搭載を想定していなかった)ため

 実力以上にそのシルエットが恐れられた。


 ※如月がごく簡単に撃墜しているように見えるが、

  これは出現位置を完全に把握していたことと、乗機が

  変型しないこと前提のフル装備アールブであったことが大きい



 この機体の投入により特に、脆弱だった新共和地上軍は

 地上での足場を作ることに成功した、と言われる程。


 宇宙軍で二〇機弱、地上軍でも四〇機に満たない程度しか実戦に

 投入されていないがこの後、連邦宇宙軍では艦船を小型化し、

 地上軍でもナーバスのアップデイトと、それを搭載した装脚戦車の

 改良、増産、さらにはBAの開発。

 全ての予定を大幅に前倒したうえ並行して進めざるをえなくなった。

 インパクトはそれ程大きかったのである。

 

 ナーバスは既に装脚戦車で連邦、新共和両陣営が実用化していたが

 高性能化、多機能化において先行していた新共和が

 その真価を連邦へまざまざと見せつけた機体。

 地上での移動力がなかったことが、連邦には幸いした形になった。



 ルビィズ仕様のr型もRB001、002が急遽建造され

 始めて投入された戦闘時、たった二機で宇宙戦闘機7機を撃墜

 23機を行動不能にし、フリゲート艦四隻、巡洋空母一隻を沈め、

 連邦の第二機動艦隊旗艦、超大型戦闘空母ロッキーを戦闘継続不能に

 追い込んでいる。


 ※(それまでのルビィズ所属機の機体コードはSTだったが

  この時からRBに、数字も投入順だったが、連絡機や輸送機は

  600番台となった。

  STは艦船用の識別コードとして再利用、ルビィズ旗艦である

  ルビィズの専用艦艇である強襲巡洋空母ルナシー改級の一番艦、

  シー・オブ・トランクワイリティをSTΑとしSTΔまでの

  四隻が在籍)


 以降、ブライトレッドにピンクの機体が確認されると

 連邦の艦隊は作戦を放棄して後退したという。


 

 ルビィズ所属機以外は、あえて激戦区には投入されなかった

 事もあり、セブンスが撃墜されたのは新共和全軍で三機だけ。

 ルビィズ仕様の二機のみは、細々とアップデートを繰り返し

 r型アールブ配備開始までr型オーガと共に一線で活躍した。


 機動兵器へのバリア、レーザー兵器、対人兵器の搭載、ナーバスなど

 その後のBAの方向性を示した機体。


 変型機構はないため、10mの巨体でも有り、特に

 地上では、長距離移送時は解体して運ぶしかなく

 その欠点は、そのまま次期型のオーガも引き継ぐことになった。



 ナミブを襲撃したe型の機体は、塗装色はサンドピンクとライトグレイで、

 見た目のイメージはだいぶ違う。

 既に廃棄されたはずの機体であり、後のアフリカ方面軍の前身である

 紅海/北アフリカ駐屯軍の所属機だった可能性が高い。

 

 ※艦長が心配していたのはこの部分。

  心配通りに事後、本局所属の憲兵隊が即座に直接介入、調査を行い、

  かなりの人数が逮捕拘束され、その大多数が軍事裁判にかけられた。

  ほんの数日で八割方が有罪となり、銃殺になったものも結構な数が出た。


  事態を看過したとして、アフリカ方面軍の憲兵隊上層部の一部も

  複数人、相当重い処分を受ける対象になった。

  たまたま当直として艦長から話を聞いた直後に中隊規模で

  調査班を組織、調査班長として現場を取り仕切った

  ナセル憲兵大尉も本来、立場上は処分対象だったが

  迅速な対応を認められ、直属上司共々処分は免れた。



 奇襲でナミブに致命的ダメージを与える予定だったが、

 作戦が露呈 逆に特技専のアールブに待ち伏せされ、

 二機とも何も出来ずに撃墜されることになった。

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