20

「ふざけるな!!!」


その様子を見て怒り出すハイロゥ。


「ふざけてない!大真面目だ!」


怒鳴り返す赤井。いや多分そういう意味じゃないぞ。


「最早奥の手だ……我が能力『吸収』を全開にして、貴様らもろとも取り込んでくれるわ!」


ハイロゥがマントを脱ぐと灰色の球体に顔がついており、巨大な口を開いていた。


「それってカービ――」

「それ以上言うな!」

「おい!冗談抜きに吸い込まれるぞこれ!」

「どうやって倒したらいいの!」

「皆さん、宝玉を集めてください」


緑川の提案で、村長の言葉を思い出す正しき~心の七色揃うとき、大いなる力をもたらす~

そうか、大いなる力でハイロゥを倒せばいいのか!


「その通りです!」

「人のモノローグを読むな!」

「よし、みんな!宝玉を集めるんだ!」


円を作るように宝玉を並べると七色の光があった溢れだした。

光が消えるとそこには――


「巨人だ!ロボだ!ジャスティスロボだ!!」


七色の宝玉で出来た身体の巨人がいた。


「我は宝玉の巨人……んで、何の用?」

「めちゃくちゃフランクだな!?」

「現れたな。宝玉の巨人、だが貴様の力ごときでこの我は止められぬぞ、吸収してくれ――」

「ちょっとそこの掃除機シャラップ」


巨人が指パッチンするとハイロゥの動きが止まる。


「あのハイロゥってやつを倒してほしいんだ」

「りょ(了解の意)。それくらいだったらチョチョイノパッパでほらキレイよ」

「待ってくれ!」


宝玉の巨人が指パッチンをしようとすると、赤井が止める。


「巨人、あいつを異次元に飛ばすことはできるか?」

「確かに……ただ倒してもまた復活されたら大変だもんね」

「赤井、そこまで考えていたのか」

「そんぐらいチョロペチーノよ」

「じゃ、じゃあビームは出せる?」

「餅のロンよ」


ん?なんか流れがおかしいぞ


「俺達の声と一緒にビーム出して、それやってくれるか?」

「おKおK」

「よし決まり!皆でジャスティスビームって叫ぶぞ!」

「お前、それがやりたかっただけだろ!」

「エネルギー充填百パーセント」


巨人の口から機械音声が流れる。

ノリノリだなこの巨人!?


「いくぞ!せーの!」

「「「「「「「ジャスティスビーム!」」」」」」」

「るうぅぅぅ………!!」


巨人から煌めく七色のビームがハイロゥに放たれ、遥か彼方まで消えていく。

巨人の姿は徐々に消えていき、俺達の戦いは幕を下ろした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る