17

「そういえば、銀と黒崎先生は!」


二人のいる部屋に目をやると二本の短剣を構えたシアンと拳を構えた銀がにらみあっていた。銀の後ろから黒崎先生がチョークを飛ばすと同時に二人がぶつかり合う。

シアンの剣を籠手で防いだところに高速でチョークが飛び交う。


「やるな少年。某の光速の能力『蒼雷』に真っ向から立ち向かうとは……」

「別に、俺は先生を守りたいだけだ」

「俺も、大事な生徒を守りたいんでな」


「え、何なの。あそこだけ少年マンガみたいだよ!」


桜庭が思わず叫ぶ。俺もそう思う。


「なるほど、それが貴様らの絆というわけか……だが某も負けられぬ、悪の頂点に上り詰めると、共に誓った仲間がおる!」


シアンの体に青色の電気が走る。


「青い稲妻が貴様らを攻め、炎が身体焼き尽くすであろう、その命ゲッチュー!」


稲妻となったシアンが部屋を駆け巡る。


「なんてスピードだ……だけど」


黒崎先生は銀から離れ、四方八方にチョークを飛ばす。


「せ、先生!?」


チョークを飛ばし尽くした黒崎先生にシアンが迫る。


「隙ありっ!……なにっ!?」


剣が迫る直前で一斉に飛んできたチョークがシアンの動きを止める。


「いけ、銀!」

「先生を……苛めるなぁっ!」


銀のパンチが直撃し、シアンは窓から外へ吹き飛んでいく。


やった!あとは上に進むだけだ!


「ねえ、先生たちのところ!」


桜庭の声を聞いて、黒崎先生たちの方に目を向けると二人の目の前にビリジアがいた。

ビリジアは銃をもってなにか話しているようだけどよく聞き取れない。


「何を話してるんだ?」

不思議に思っていると


ピシッ

ミシッ

ゴゴゴゴゴ


音が鳴り、建物が揺れ始める。

こ、これって


「崩れるんじゃ……うわああああああ」

「みんな!宝玉を離すなよ!」


黒崎先生の言葉を最後に建物が崩れていく。

そりゃあれだけ衝撃加えてりゃ崩れるよな!





















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