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そういえば、他の四人はどうなったんだ!
黄瀬と桜庭のいる部屋に目をやると、ベージュの姿はなく、砂嵐が吹き荒れていた。
「おいらの能力は体が砂になる『砂塵』!実体がつかめなきゃ倒すこともできないべー?」
どこからともなくベージュの声が聞こえる。
二人は黄瀬の巨大な盾で身を守っているが動けない様子だ。
「どうする桜庭、これじゃ動けない!」
「僕、思い付いたんだ。けどこれには僕達二人の力を合わせなくちゃいけない。力を……貸してくれる?」
桜庭の上目遣いに思わず照れる黄瀬。
「あ、当たり前だ!いくらでも貸してやる!」
「じゃあ盾を小さくして、ぼくがせーのっていったら思い切り大きくしてね!」
「よっしゃ、任せ――」
盾を片腕に収まる大きさにした黄瀬の体に桃色の鞭が巻き付く。
そのまま桜庭は黄瀬を振り回し始める。
「いっくよー!せーの!」
「っ!」
黄瀬が盾を最大にすると回転は大きくなり、砂を巻き上げる。
「こ、こんなの目が回るんだベー!!」
巻き上げられた砂がベージュの姿に戻った瞬間、巨大化した盾にぶつかる。
「あ……」
飛ばされたベージュが城の壁にぶつかる。
するとヒビがわれ、そのまま落ちていってしまった。
「僕達の……勝ちだ!」
晴れやかな笑顔の桜庭と屍のように倒れる黄瀬。なんて不憫なんだ……
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