12
「なんと、そのようなことが……」
ビリジアの去ったあと、俺達はオード村長の家に戻っていた。
頭を抱えながら村長は呟く。
「正しき心の七色揃うとき、大いなる力をもたらす……宝玉にまつわる言い伝えです」
「宝玉が7つ揃うととんでもない力が手に入るってことか。それってドラゴンボ――」
「それ以上はやめなさい!」
赤井に突っ込む俺を気に留めず、オード村長は続ける。
「緑川殿がこちらにいれば、宝玉を取り戻したあとにその力を使ってハイロゥ団を倒すことが出来たのですが……」
「くろさきせんせー、催眠術の解き方知りませんか」
「世間一般の教師はそんなこと知りません!」
「じゃあ先生~!催眠術のかけ方は!」
「それも知りません!ってなんでちょっと残念そうなんだ銀は!」
赤井がすくっと立ち上がる。
「とにかく、俺達の力で緑川を助ける!」
「そうはいっても、これからどうすればいいんだよ?」
そういえば、と赤井が思い出したように呟く。
「緑川はパレット城にこい、って言っていたよな……」
「パレット城はここから北西にある城ですな。奴らはそこから来ておったのか」
「じゃあ行き先は決まりだねっ!」
「ちょっといいかお前達……」
いつになく真剣な表情で黒崎先生は聞く。
「ここから先は遊びじゃなくなる。本当の戦いだ。それでも行くのか?」
確かに先生の言うとおりだ。
でも
「もちろん!」
「緑川は仲間だからな!」
「友達は助けないとだろ、先生っ!」
「怖い気持ちもあるけど……でも、放ってなんておけない!」
「お、俺もだ!」
俺達の気持ちは一つだった。
そんな様子を見て黒崎先生は微笑む。
「いいか、自分たちの力の使い方を知らないと勝負には勝てない。これは城につくまでの宿題だ!」
「ゲッ!急に宿題なんて言葉出さないでくれよ先生!」
こうして、俺達はパレット城に向かうことに決めた。
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