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「あれって緑の宝玉!」
「どうみても緑川……だよな?」
「なんで、敵側に居るんだよ!」
俺達の戸惑いに、赤井が答える。
「わかったぞ緑川!悪の軍団に操られているんだな!」
「そんなわけ――」
あるか!と言いかけた俺を黒崎先生が遮る。
「いや、赤井の言うとおりかもしれない。」
「そういえば村長さんも緑の宝玉が奪われたって言ってたもんね」
「ああ、力を使うために緑川もさらわれたんだとしたら、連絡がつかなかったのも納得がいく」
そんな……黒崎先生の言っていることが本当なら俺達は緑川と戦わなきゃいけないのか。
俺の脳裏に緑川の黒い微笑みが蘇る。
背筋に寒気もしてきたぞ。
あれ、勝てないんじゃないか?色んな意味で。
「目を覚ましてやる!俺達の絆で!」
「絆って……どうするつもりだ赤井?」
こいつが自信満々な時って嫌な予感がするんだよな……
赤井は大剣を持ち上げる。
「正義の心!赤井ハリケーン!」
「このおばかー!」
放たれる強風。緑川が怪我したら元も子もないだろ!
そんな俺の心配をよそにビリジアは不敵な笑みを浮かべ、宝玉をもつ手をかざすと緑色の銃が現れる。
「
その銃から強風が起こり、赤井ハリケーンを打ち消した。
「私のもつ宝玉の力は複製の銃。見たものをコピーする能力です。とはいえ、宝玉はさすがにコピーできませんけどね」
フフフと笑うその黒い微笑みはやっぱり俺達の知っている緑川そのものだった。
「なんだよその能力!性格と合わさって悪魔並みじゃないか!」
「……貴方には後でお仕置きするとして、今日のところは帰らせてもらいますね」
微笑まれた黄瀬はヒィッ!と悲鳴を上げる。
「もし我々を倒すつもりなら、パレット城に来て下さい」
その言葉と同時に銃口から強風が吹き、ビリジアは姿を消した。
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