10
「決まった……!ヒーローは遅れてやってくるからな!」
赤井は赤色の大きな剣を担ぎながら、いつものように笑う。
ん?ちょっとまてよ?
「今の言い方だと、出るタイミング伺ってたみたいに聞こえるぞ?」
「そ、そんなことはないっ!」
「……本当か?」
じーっと赤井の目を見つめると明らかに目をそらす。
「だって、その方が格好いいだろ!」
「開き直るな!」
その時頭上から声が響く。
「ええぃ!これで終わりだ!大殿筋プレス!」
ブロンゾンの引き締まった尻が迫る……って嫌すぎるなこの状況!?
「いけ、青野!尻にツッコめ!」
「やめろ!誤解を生むだろ!」
思わず持っていたピコハンを振る。
カキイィン☆と音が鳴り、ブロンゾンが遠く彼方に吹き飛んでいく。
「「「「「「……え?」」」」」」
呆然とする俺達に黒崎先生が気づく。
「……もしかして今、青野が赤井にツッコミを入れたからか?」
「極端すぎるだろこの武器っ!」
「いや素晴らしい。さすがは宝玉の力ですね」
叫んだ俺の前に新たな人影が現れる。
その姿はよく知っている相手だった。
「なんでここにいるんだ……緑川!」
黒崎先生が驚く。
普段と服装は違うけれど、確かにその人物は俺達の仲間。緑川護だった。
「緑川とは誰のことでしょう?私の名はビリジア、ハイロゥ様の忠実な部下です」
にこりと笑うその手には緑色の宝玉が握られていた。
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