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「俺はハイロゥ団のブロンゾン!宝玉を渡してひれ伏せ、この上腕二頭筋に!」
武器を持ったまま、外に出るとスキンヘッドで筋骨隆々の男が両腕の力こぶを見せながらポーズをとっていた。
「こいつ、ふざけてやがるが……強い」
門番の男は傍で倒れていた。
あんなに強そうな人が倒れているなんて……
「戦おう、僕たちで」
桜庭から意外な言葉が出る。
俺達であんなに強そうな相手を倒せるのか?
「……って、赤井君ならそう言うよね?」
確かに、誰よりもヒーローが好きなあいつなら絶対言うだろうな。
「教師としては反対……だけど、このままにもしておけないな」
黒崎先生がため息混じりに話す。
「先生の言うとおり!」
「いくら5対1だからって大丈夫か?」
やる気十分な銀と不安げな黄瀬に桜庭が笑顔で答える。
「いざとなったら、囲んで袋叩きにすればいいし!」
「それヒーローのやり方じゃないだろ!」
どっちかっていうと悪役だろそれは!
黒崎先生がコホンと咳払いをする。
「とにかく、いざとなったら逃げること。いいな?」
頷いて俺達は武器を握り、ブロンゾンの前に立ちはだかる。
「こ、ここから先へは行かせない!」
その巨体をいざ目の前にすると思わず声が上ずってしまう。
「邪魔をするというのなら、この筋肉の錆にしてやろう!」
ポーズをとり、腕の筋肉を見せつけながら俺に向かって拳が振るわれる。
すると目の前には黄瀬と巨大な盾が現れる。
「あ、危なかった!」
「むっ、ならばもう一撃」
ブロンゾンがもう片方の手を振りかぶるとそこに桃色の鞭が巻き付き、動きをとめる。
「させないよっ!」
「こいつをくらえ!」
黒色のチョークが体を突いていき、ブロンゾンがよろめく。
今がチャンスだ!
「いけえぇぇ!」
俺は思いきり力をこめてハンマーを叩きつける。
ピコン☆と間抜けな音が響く。
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