5
「なんとかついた……」
さっきのような怪物にも会わず、やっと集落にたどり着いた。
すると入口で立ち止まっている二つの影があった。
「入らせてくれよ、俺達ただの学生なんだよ」
「どうしてもっていうなら力ずくでいかせてもらうしか……」
それは聞き覚えのある声だった。
「黄瀬!銀!」
「あ、青野!」
「助けてくれ、この人が村に入れてくれないんだ!」
泣きそうな声の黄瀬に困った表情の銀。二人の前には屈強な男が立ちふさがっていた。
「お前らみたいな見るからに凶悪そうな奴らを、このキャンパス村に入れるわけに行くか!」
確かに端から見れば強面二人組が村に入ろうとしている。そう見えるかもしれない。
「違うんだ、俺達はオードって人から石を渡されて……気づいたらここに居て困ってるんだよ!」
二人の代わりに俺が話しかけると屈強な男は驚いた。
「なに?まさか宝玉を持っているのか?」
「宝玉ってこれか?」
銀がオードさんから渡された石を出す。
それに続いて俺達も石を見せると、屈強な男の顔が青ざめていく。
「し、失礼しました!すぐにオード村長の所へお連れします!すでにお仲間も到着してますので……」
急に低姿勢になった男を見て呆気にとられながら着いていく。
そのまま俺達三人は一際大きな家の前に案内された。
仲間も着いてるってことはもしかして……
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