3


「オードさん、これは……?」


 石の放つ特別な輝きに黒崎先生も言葉を失う。それよりも俺は別なことに驚いていた。


「赤井、これって……」


 隣にいた赤井を見るといつになく真面目な顔をしていた。


「あぁ……俺達の名前と同じ色だ」


 赤井の言葉に全員でもう一度石を見る。


「ほんとうだっ!」

「なっ……!」

「ど、どういうことだ?」


 戸惑う俺達にオードさんは口を開く。


「そのとおり。あなた方にはこれを守ってほしいのです。この『宝玉』の力を……悪の軍団から!」


「ほうぎょく?」


 首を傾げる桜庭。


「悪の軍団っ!?」


 立ち上がる赤井。


「待ってくださいオードさん、お話が……」


 黒崎先生も困惑している。この人は何をいっているんだ?


「皆さんのことを黒崎先生から聞いて確信しました。あなた方には宝玉の力を使う素質がある。宝玉に意識を集中させれば、特別な力が得られるでしょう」

「特別な力っ!?」


 続けるオードさんに食いつく赤井。まってくれ嫌な予感がするぞ。


「その力で宝玉を守ってください!悪の軍団、ハイロゥ団からっ!」

「任せてくれっ!」


 食い気味で答えるな赤井っ!と叫ぼうとしたそのとき、室内が大きく揺れ始めた。


「しまった……転移が不安定であったか!皆さん宝玉を!」


 揺れるなかオードさんに投げられた宝玉を思わずキャッチしてしまった。


 その瞬間、俺達はまばゆい光に包まれていった。

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