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 ピンポーン

 黒崎先生が呼鈴を押すと70代位の男性が玄関から姿を現す。


「やぁ皆さん、ようこそいらっしゃいました!ささ、中でお茶でもどうぞ」

「オードさん、今日はよろしくお願いします」


 黒崎先生が引き締まった表情で頭を下げたので俺達も続く。

 学園での様子よりも大人っぽさを感じる。


「キリッとした先生も……いい」


 後ろで銀がなにか言った気がするけど、気のせいだろう。そうであってくれ。


「私がリーダーの赤井です。今日は精一杯掃除をさせてもらいます!」


 一歩先に出てハキハキとしゃべる赤井。こんなに成長したのかこの子。


「任せてください、正義の使者である俺達ジャスティスファイブに!」


 やっぱり俺の知ってる赤井だった。お前さっき全員揃わないと名乗れないって言ってなかったか?


「ホッホッホ、この年では掃除も一苦労でしてなぁ……そうじゃ、皆さんに渡したいものがありましてな」


 赤井の発言も気にせず笑いながら話すオードさんは、思い出したように奥の部屋に入っていく。


「あんなに高齢だと家の掃除も大変だよなぁ」


 ゆっくりと歩くオードさんの様子を見ていた黄瀬が呟く。


「でもさ、そんなに汚れてるようには見えないよねぇ?」


 確かに桜庭の言うとおり室内に目立つような汚れはなかった。


「お待たせしましたな」


 不思議に思っている俺達の前に現れたオードさんは5つの石を抱えていた。

 石は手のひら位の大きさでそれぞれ赤・青・黄・桃・黒・銀の色をしており宝石のような輝きを放っていた。

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