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夏休みが始まったある日、ボランティアの一環で俺達はとある家の前にいた。
「聞こえるぞ……正義を、俺達を呼ぶ声がっ!」
「家の前で叫ぶんじゃありませんっ!」
箒をもった赤井が叫びだしたので思わずお母さん口調で叱る。
「でも校外で活動なんて、ヒーローっぽくなってきたよねー」
楽しそうな様子で話す桜庭。
「でもよ、なんで俺達みたいな学生に依頼がきたんだ?」
「それはー、掃除屋さんに頼むお金がないんでしょ」
首を傾げる黄瀬に可愛い顔でサラッといい放つ桜庭。
「お前ら……静かにしろ!先生が困ってるだろうが!」
怒った顔で注意するのは銀。その一喝で静かになる俺達の前に小柄な黒崎先生が姿を現す。
「ありがとな銀、さて改めて説明するぞ。今日はこの家の主人、オードさんから部屋の掃除を頼まれた。一応校外での活動だから俺が引率したけど、手を抜かずしっかりやるんだぞ」
「はーい先生!」
先程の狂犬のような顔とはうって代わり、子犬のように甘えた声で返事をする銀。
「それじゃオードさんに会いに行くぞ」
入口へと歩きだした黒崎先生に桜庭が驚く。
「あれ、先生。緑川君来てないよね?」
桜庭の言うとおり、この場に緑川の姿がない。
「緑川には電話をかけたんだが繋がらなくてな。留守電を入れておいたから後で来るだろう」
「まったく、全員揃わないとジャスティスファイブが名乗れないじゃないか」
不満そうに言うが赤井、銀と黒崎先生か入った時点でファイブじゃなくなってるからな。
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