第4話⑤ 小学生アキちゃん登場。なんでも身の下話が得意だそうで

「お兄ちゃん、変よ。どうしたの」

「ウウウウウウウ…」

 恭平が両手をアキの目の前に突き出した。すると、恭平の手の先から透明な手が伸びた…見えないけど、アキは透明な手の気配をハッキリ感じた。そして、その透明な手がアキの首元まで伸びて、アキの首を絞め始めた。

「うっ…苦しい…」

 アキは自分の首を押さえた。しかし、恭平の透明な手はアキの首を絞めたまま、アキの体をゆっくりと持ち上げていった。

「あーあーあーあーあー! 」

 アキは足をバタバタさせながら身をよじった。すると、運良く恭平の顔に足が強烈にヒットした。すると、足を当てられた恭平は顔を抑え、それと同時にアキの体を持ち上げていた透明な手の気配も消え、アキは床にドスンと落ちた。

「はあ、はあ、はあ。お兄ちゃん、今の…何? 」

「ああ! またやってしまった! 」

 恭平は床に倒れ伏して頭を抱えた。

「またやった? どういう意味? 」

「せっかく仏教研究会にはいって修行をして、もう、完全に治ったと思っていたのに…俺はなんてダメな人間なんだ。ああ!! 」 

「お兄ちゃん。いったい、なにがなにして、なにしたんか、はっきりゆうて! 」

 アキは頭を抱えている恭平の背中を強く揺さぶった。

「超能力…念力だよ」

「念力? 」

「そう…俺の呪われた力…忘れたい俺の黒歴史の元凶さ」

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