第2話① 児童虐待は人生に大きな影を落とす
コロナによる外出自粛の期間、児童虐待が問題になっているそうである…みんなイライラがたまって、そのはけ口として弱いモノに向かってしまうのだろう。実は人気の美人DJ宏美も、父親から虐待を受けた過去があって、それが彼女の人生に大きな影を落としていた…。
「ただいま」
宏美がラジオ局から帰ってくると、洗濯物をたたんでいた宏美の同棲相手の
「おかえり、宏美。今日は早かったんだね。夕食は食べたの? 」
「まだよ」
「それはよかった。実は今日のお通夜の仕事で出たお弁当が余ってたので、君と食べようと思って、二つ取っておいたんだ。冷蔵庫、冷蔵庫…さあ、見て! ジャーン! なかなか豪勢なお弁当でね、海老の天ぷらまで入っているんだよ。久しぶりだな、海老の天ぷらなんて」
「いらないわよ」
「え! 」
「そんなお通夜の残りものみたいな辛気くさいものいらないわよ」
「辛気くさいなんて…クンクン…ちょっと線香臭いだけじゃないか」
「よけいにいらないわよ、そんなもの! 」
「でも、ごちそうだよ」
「いいこと、私はDJという仕事がら、喉には一番気を使っているのよ。それに小さい頃から喘息気味で、タバコとか線香といった煙のでるものは大嫌いなの。今でもタバコとか線香の臭いを嗅いだだけで咳がでるのよ」
「でも、宏美の実家てたしか、お寺だろ。ダバコは分かるけど、どうして線香が嫌なんだい。お寺の商売道具だろ」
「それを言わないで!」
「どうして? 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます