ある女の生涯

中落合 花美

第1話

第1巻「柳都にて」第112の章爺や

 「爺や様のお出ましです。奈緒さん。お茶をお願いします。」

 「はい。直ぐに。」と奈緒。

曽井賀常務は、「お構いなく。皆さんでつまんでますな。私もお仲間に。」と言って手を出して寿司を口に運んだ。「若奥様。記事を読みましたよ。」

 『冷やかさないでください。』と由紀。令子さんとはるかさんに、「2人とも座って。滝川さんも。と菜々江。

 食べ終わって、改めて、『この度は御手配いただきましてありがとうございます。引っ越しも無事終わり、次に進んでまいります。今後ともよろしくお願いいたします。』と由紀。

 「今後とも何なりとお申し付けください。東京に越してこられましたら、お力添えをお願いするのは当社の方です。当社の常務としても頑張っていただけるものと思っていますが、慌てずにお茶の会みたいなものにお出になることから始めてください。」と曽井賀常務。

 『調査をお願い出来る人を付けてもらうことは可能ですか?』

 「可能です。私に連絡してください。」と曽井賀さん。

 「常務。お忙しいから無理ですよ。曽井賀常務付きの執行役員の木村ローザさんならいかがでしょう。」と安美さん。

 「そうだな。ローザさんにとっても仕事が増えていいことになるな。直ぐに呼びなさい。あ、ケーキも持ってくるように。」「はい。」と安美さんは携帯を掛けるために部屋を出て行った。

 曽井賀さんは、「明日から二週間ほどブラジルに行くことになりますので、この安美くんも連れて行きますのでローザさんと連絡を取ってやってもらって下さい。」『はい。よろしくお願いします。』

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