ウェスト伯爵家の3女

――良く晴れたある庭に私は立っていた。



 貴族のようなお屋敷に居るわけで、メイドさんから呼ばれてるんです。



「ミリー様~あんまり遠くに行っては危ないですよ」




この家はウェスト伯爵家の敷地のようだ。




 生まれてきたこの世界は前世の知識からすると、中世のヨーロッパ的な雰囲気が感じがする。





 マリアというらしいメイドさんには〈ミリー〉と呼ばれていた。




「ミリアリア=ウェスト 5歳 第3子」というわけです。




上に兄と姉がいる。




9歳になる兄と7歳になる姉である。




――つまり私は末っ子ってことになるのよ。




 前世の記憶は男性だったとおもうんだけど、

私って女の子だよね?


――何度も確認しても女の子だよ。


どうしよう、将来男の人とするのかなぁ……………。



 ミリーには女性に転生してるのか? 

その答えは出ないまま、分からなかった。




 この記憶がよみがえったのは、今朝豪華なベットから起きた時なんだけど、それまでの記憶が無いと言えば嘘になる。




「うん、私もうちょっとだけお花見てたいの」




 当然ミリーの記憶もあり、その上で前世の記憶がよみがえってる。


僕は佐野陽一だったはずだ。




 ただ、ミリーの記憶通りの性格も残ってるので、

そのほうが今は問題ないのだろうと思う。




 記憶が戻るとき、目が覚めた時は汗でびっしょりで息切れをしていた。




 5歳児は本来こんなに体力があっただろうか?




 かなり庭を走り回り、多少は息切れするものの、子供の領域をはるかに超えてる気がした。






 ミリーは3子次女という立ち位置だ。




 つまり、上に兄や姉がいるので基本的に自由な立場である。




――しかし過去の記憶が残っている。




 記憶の断片を探ってみる。



 確か、バイトに向かう途中で事故にあって、意識もうろうとしてるところで小さな子供みたいな神様に出会って、この場にいるんだけど。




 5歳になるまで、この記憶を思い出す事すらまったくなかった。




 そして女の子として転生を果たしている。




 せっかくの異世界転生だから存分に謳歌しようと思う。






 ――まずは体を鍛える!





これしかないね!






 庭の周りを走り回り、疲れ果てたら日が沈む前に睡眠する。




 今は、寝る→体を鍛える→寝るの繰り返しだ。




 家庭教師のメイドっぽい人もい居るが、ミリーに対しては、そこまで勉学には力を入れていないらしい。






 私にとっては好都合だね。



 だって、自由に行動できるもん。



 前世では、碌な人生を歩んでこれなかったが、伯爵家という事もあり、料理もそこそこうまいし、何をしても、よほどじゃなければ怒られない。



 今はひたすら体を鍛えることに専念しているわけだ。




 もちろん、勉学の中には魔法があるのでその項目も注目している。






 この世界には、火、水、風、土の基本4属性があり、上位種として光、闇、毒などの違う種別があるようだ。




どうも、私は風が特に優れており、光と火も多少使えるという事が判明している。






 7歳になると聖堂で儀式をやることで、国民登録と同時に向いてる属性に分かれるらしいのだが。




まあ今は関係ないね。



――こうして季節が変わっていくのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

勇者の身代わりになった俺と僕と私の転生記 すたりな @sutarina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ