第3話 20150929
昨今、ダイエットブームの波はねこたちにまで達している、という話を聞く。
私としては、ねこの健康に神経質なまでに気を配る必要があるとは思えない。
とはいえ、時々おもしろ動画などで異様に肥満しているデブねこたちの姿を見ると、さすがにそれはダイエットさせた方がいいだろう、という気持ちくらいにはなる。
ちなみにうちのねこさんは、これまでダイエット知らずで育ってきた。
付き合いが長く、そのうえ毎日見ているから、果たして太り過ぎなのかどうか、よくわからない。おそらくデブではない。
あまり太らない理由は単純で、昔からよく吐きまくっているからだと思う。
毛玉も吐くし、食べたものも吐く。とにかく昔から食べるたびに、すぐに吐く。
胃腸があまり丈夫じゃないんだろうか。今でも吐くたびに心配になる。
あと、うちのねこさんは立ち耳のスコ(スコティッシュフォールドの略で猫の一品種)なんだが、立ち耳でも潜在的には何か遺伝的な欠陥でも持っているんだろうか、と不安にもなる。
今日は、うちのねこさんの古い写真を見つけた。日付を見たら、今から七年ほど前のものだった。今と同様、別に太ってはいないと思う。
それにしても懐かしい。
あの頃のお前の愛らしさと来たら……と感傷に浸ろうかと思ったが、今と変わらず、ふてぶてしい顔をしている。
目が座り、ソファーの上で不機嫌そうにしている。珍しくカメラ目線の写真だというのに、カメラのレンズに何か恨みでもありそうな顔だ。なにゆえそれほど凄むのか。
でもこうして昔の写真と比べてみると、今の方がちょっと痩せてるかもしれない。
昔は結構アゴ肉付いてたんだな。
最近は歳のせいか寝てることが多いけど、とりあえず元気でいてくれたならそれでいいよ。
あとどのくらい付き合いが残ってるのかわからないけど、これからもよろしくな。
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