第2話 20150925
いつだったか、ねこさんの食欲がなさそうだった時にしばらくの間、レトルト食品のパウチみたいなものに入ったごはんを与えていた。中身はシーチキンのようなものだ。猫の食欲を掻き立てるような匂いを発しており、消化にもよさそうな見た目をしている。
これが美味しすぎたのか、私にとってはまずいことに、それ以降カリカリタイプのごはんを出すと、ちょっと機嫌がよろしくない。
「え? なんで? これちゃうで」
そんな顔をしてこちらをまじまじと見つめてくる。
ニャー……ニャッと鳴いて何かを訴えてくる。
「ちゃうねん、ちゃうねん。これちゃうねん」
そんなことを言っているに違いない。
何となくムカつく。
ムカついた仕返しに、その不機嫌そうな顔を写真に収めてやろうとすると、すぐに気付いてそっぽを向く。
やっぱり写真は苦手なのか。
でもそうかと思うとまた別の時には、何の用もないのにふらっと近付いて来ては、こいつバカなんじゃねーのって言いたくなるくらいに顔を寄せて来る。本も読めなきゃテレビも観れない。何もさせてもらえない。ほんと邪魔だ。バカ。
マジでムカつく。
カリカリごはんを食べ終わった後、足元にやって来て物欲しそうな目でこちらを見上げては、まだ何か言いたそうにしている。
それほどまでにあの柔らかい肉が欲しいのか。
死肉を貪るこのケダモノめ。
また来月買ってきてやるから、それまで我慢しろ下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます