永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』

風嵐むげん

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ


「恵まれた環境にいる筈なのに、なんだか寂しい」


「病気じゃないのに息が苦しい」


「皆が当たり前に出来ることが自分には難しい」


 そう感じる方は少なくないのではないでしょうか。


 更には新型コロナウイルスの蔓延により、世界がガラリと変わってしまった二〇二〇年。オリンピックや甲子園の延期や中止、更には入学式や入社式の中止などなど。当たり前だった日常が当たり前ではなくなったことで体調を崩す方、時間を持て余す状況で不安や焦りを感じている方が増えてきている昨今。


 そんな今こそ、オススメしたい一作がこちら。永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』です。電子書籍でも購入可能なコミックエッセイです。


 正直なところ、タイトルだけで通報されるんじゃないかとドキドキハラハラしているのですが、落ち着いてください。この作品、ただのレズ風俗レポートではありません。


 むしろ、自分の生き方を考えさせられる内容となっております。なんなら風俗のシーンは全体の十分の一もありません。


 また、「私はこうして問題を解決した」という内容でもありません。著者の永田カビ先生は今でもずっと生き難さに苦しんで悩んでいます。それはそうです。人生に潜む苦しさを本一冊で解決出来るのなら、この世の全ての人間が幸せになってます。


 私がこの一冊を勧める理由は、「自分が生き難いと感じる要因が何かわかるかもしれない」もしくは「どんなにみっともなくても、自分が抱える問題と向き合えるきっかけになるかもしれない」からです。


 作中で「自分は家族(特に母親)にどう思われるかを気にしていた。ずっと子供のままで居なければいけないと思っていた」と書いてあります。極端な例ではありますが誰でも周りの目が気になって挑戦出来ないことがあるのではないでしょうか。それが生き難さの原因になっているのかもしれません。


 実際に私も、身近な人の目が気になって未だに小説を書いていることをウェブの友人以外に言えていません。こそこそと隠れて書いているので、挑戦してみたいことを諦めたことも数え切れないくらいあります。


 この一冊で現状を打破出来たわけではありませんが、少なくとも向き合う心持ちにはなれました。日々の生活で生き難さを感じる方、自粛生活で周りの視線が気になる方。ぜひ読んでみてください。


 そして、自分の意思で生きるということを改めて見直してみてください。自粛生活で時間がある今だからこそ、じっくり考えてみることもいいのではと私は思います。


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永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』 風嵐むげん @m_kazarashi

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