今度は自作に明確な誤り!

 冒頭から連続して、自作のことばかり書いてしまうことになってしまいました。私が四苦八苦して理系の文書を読む場合、どうしても自作 SF の答え合わせ的読み方になってしまい、結果、新しい記事もこのようなタイトルになってしまいました。

 どうも済みません。

 また答え合わせなど投稿前にやっておくべきものだとも思うのですが、もしそれが可能なら、そもそも、中高生時代のテストにも充分対応でき、理系進学を諦めることなく、今頃は博士号を持った SF 作家にでもなっていたことでしょう。たとえばロバート・L・フォワードとかデイヴィッド・ブリンのように……。


 もともと前回触れた「銀河のハビタブルゾーン」という考え方を『Wikipedia』さんからではなく紙の雑誌の『Newton』さんからの引用に換えようと、同誌のバックナンバーを猟っていたのですが、そこで以下のような囲み記事風の付記を、発見してしまいました。


>系外惑星の名称は、その惑星がまわる恒星(中心星)の名前の後ろに、発見された順に b、c、d ……をつけてあらわします。たとえば、「KELT-9 b」は、「KELT-9」という恒星をまわる、一つ目の惑星ということです。ただし、このルールに当てはまらない系外惑星もあります。また、天体に名前をつける権限をもっている国際天文学連合(IAU)は 2015 年に、より親しみやすい名前を世界から募集するキャンペーンを行いました。[……](Newton Spacial「宇宙にあふれる系外惑星 第 1 回 想像を絶する惑星たち! 太陽系の常識が通用しない系外惑星」『Newton』2017 年 11 月号、株式会社ニュートンプレス、p.45.)


 実は自作にダフネ星系第一惑星、「ダフネ a」という惑星を登場させてしまっているのですが、『Wikipedia』、『Newton』などで“ハビタブルゾーンに系外惑星発見!”などといった記事をチェックするたび、どうも嫌な予感がしていました。恒星の名前の後ろに a がついた天体の記事に、一度も巡り会うことができなかったからです。ひょっとして中心の恒星自体が a ということになるのかな? などと、思い悩んでいたのですが……。

「発見された順に」というところもちょっと気になるところであります。

 たとえば太陽系で言った場合、水星が b、金星が c、地球が d ……といった綺麗な並び方にはならないわけです。それを小説の中で忠実に再現してしまうと、なんだかグチャグチャになってしまいそうで……。巨大ガス惑星が最初に発見されたりもしそうなので、木星辺りにある惑星が b、土星辺りにある惑星が c、火星辺りより内側の岩石惑星はずっとあとになって発見されて、などといった星系のほうが、現実的なのかもしれません。実際、トランジット法などでは、スーパーアースのような大き目の惑星が発見されているようですね? そうでもないのかな? 公転軌道が中心星に近いということが、発見しやすさにつながったりということもあるのでしょうか?


 訂正をどうしようかということも悩みの種です。一度「完結済」にしてしまっている話ですし……。

『KAC2019』で投稿が間に合わなかったプランが幾つかあったので、二年分合わせて 15 話、『KDP』さんで合本版でも出そうかとも思ったのですが、あそこは表紙なども用意しなければならないようですし、そのうえ有料ということになりそうで……。私の作品を金を払ってまで、という方が果たして……。いっそ『なろう』さんで、というのもなんかヘンな感じですしね。


 最後に私はこんな文章を読んで、自分を慰めることにしています(要するに言い訳がましいんですね……)。


>[……]作者はその領域を、それが実在のものであれ想像のものであれ、てのひらのように知悉ちしつしていなければならない。距離、羅針盤のポイント、日の出の位置、月の満ちかけ、いずれであら、、を出してもならない。それにしても月とは何と厄介なものか! 私は「プリンス・オットウ」で、月のことで悲しい目に会い、それで人の指摘を受けるやいなや、細心の用意をするようになり、それを他の人々にもすすめている──私は、今日では暦なくしては書かない。暦と、土地の地図と、すべての家屋の図面とを、紙面に明確にうつされたものとして持つか、それともすでに目撃して心にたたみこまれたものとして持つかするならば、人は世にもぶざまな錯誤を避けることを期してよろしい。地図を目前におけば、「好古家」(ウォルタ・スコットの小説。──訳注)でのように、日を東に沈ませることは、まずなかろう。暦を手に持てば、比類なき小説「ロブ・ロイ」(同じくスコットの小説。──訳注)で、くどくどと読まされることになるように、絶対火急の使命をおびた二騎者が、ざっと九十ないし百マイルの行程に出て、月曜の朝八時から土曜の夜おそくまで六日をついやし、いよいよ週もおわるというにあたって、まだ同じ駑馬にまたがり、残りの一日に五十マイルをゆかねばならぬ、というよな見のがしをするようなことは、まずあるまい。そして、こういう「大落馬」を避けるということは必要だというのでは決してないが、悪いことではないのだ。[……](スティーヴンスン「私の第一作」阿部知二訳『宝島〈岩波文庫〉』岩波書店、1963 年、pp.304-305.)


 地図、というか星図はまだできていません。これから自作の登場人物たちと一緒に作ってゆくのです(こういうのを「垂直の大騒ぎ」などと言っちゃ、やっぱいけないのかなあ……)。

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