教えてリケジョさん
あんどこいぢ
自作の未来史シリーズに早くも誤り?
今年 2 月末に始まった『KAC2020 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020~』に参加させて頂きました。当初から「全 5 回の投稿で皆勤賞を狙うのも大歓迎!」、という目標に絞っての参加でしたので、登場人物、設定、世界観などを共通させた、連作短編で行こうと思っていました。ただ規程により文字数 4000 字までのごくごく短い作品になりますので、世界観の書き込みなどはそれほどできないなと思っていたのですが、それでも私は、どうしても大風呂敷を広げてしまう性格なようで、一応自作の未来史シリーズといった形にし、「いて腕回廊シリーズ」というシリーズ名までつけさせて頂きました(生意気だったでしょうか? それにどこかで見たような設定になってしまっていますね? オリジナリティに乏しく、センス・オブ・ワンダーを旨とする SF には未だ至っていないと自覚しています)。
実は以前からそうした世界観で文章を書いてはいたのですが、基本的な設定としてワープがあるような銀河スケールの世界があり、人類が渦状腕づたいにその生活圏を広げて行っているといったような時代に、それぞれの登場人物たちのそれぞれのエピソードを展開して行く、といった感じの連作短編だったのですが、今回のシリーズでは特に、人類がいて・りゅうこつ腕の先まで到達し、そこからバルジの向こう側の obscured の辺りを探検し出す、といった背景を加え、本当に書いている私としては、勝手にワクワクしているような状態でした。
ところがこのあいだ、『ニュートン別冊 数学でわかる宇宙』を読んでいて、下のような記述に出くわしてしまったのです。
>[……]赤外線で観測した渦状腕は、実は周囲よりもほんの 10% ほど明るい、つまり星の密度はその程度にしか密集していないのである。
>つまり、ほぼなめらかな円盤にわずかに立った波と考えると理解しやすい。[……](祖父江義明『ニュートン別冊 数学でわかる宇宙』株式会社ニュートンプレス、2018 年、p.120. ただしすでに、新しい版が出ているかもしれません)
「ほんの 10%」。さらに下のような記述もありました。
>[……]それなのに渦巻状の腕がとくに光って見えるのはなぜだろうか。
>その理由を解き明かす鍵は、渦状腕に沿った星が若くてその色が青白いことにある。星の色は、恒星の表面温度の指標である。銀河の質量の大半をになうのは、赤く低温で光度が小さく、質量の小さな星で、これらは百億年から数十億年前にできた星である。しかしこれら低温で小質量の星は、たくさん集まっても非常に暗いので、通常の天体写真にはほとんど写らない。
>一方、青白く輝く星は、いわゆる OB 型の恒星(OB 星)で、年齢も数百万年と、銀河の寿命に比べると非常に若く、ほんの最近に生まれたばかりの星である。そして一つずつの星の光度が、小質量星にくらべると数十万倍も明るいので、天体写真に写りやすい。(同上、p.122.)
渦状腕の周囲の暗く観えている部分にも、いくらでも星はあったのですね。ならば人類の移住先は、そうした渦状腕周囲の暗い部分にしたほうがよいのでは? また、
>銀河の中心から十分に近いため重い元素が高レベルに存在し、そのため地球型惑星が形成されるのに十分だが、しかし中心から十分遠くでもあり中心付近での高い恒星密度による彗星や小惑星の衝突の危険、超新星爆発による放射線、さらに銀河中心のブラックホールの影響などから逃れられる銀河内における領域を銀河系のハビタブルゾーン(英語:Galactic habitable zone、GHZ)と呼ぶことがある。(「ハビタブルゾーン」『ウィキペディア(Wikipedia)』2020 年 6 月 5 日閲覧)
>銀河系のハビタブルゾーンについてはまだ研究が進んでおらず、生物に対する超新星などによる放射線の影響はまだ解明されていない。[……](同上)
などといった問題があるようなのですが、その銀河系のハビタブルゾーンのなかの系外惑星に移住するにしろ、OB 星などが数多く存在し、超新星爆発などの激しい天文現象が繰り返される渦状腕のなかの惑星に移住するよりは、周囲の暗い部分のなかの惑星に移住するほうがよいのでは? などと考え、自作の世界観に、自信が持てなくなってしまっているのです。
とはいえ現在、私たちの太陽系はオリオン碗のなかにあるわけでして、そこからいて・りゅうこつ碗へと飛び出し、さらにそこからバルジの向こう側を探検して行くというイメージは、私としてはロマンを感じて已まないイメージなのですが……。いやそもそも、渦状腕(spiral arm)という言葉自体に、強いロマンを感じているのですが……。
登場人物たちが星図の作成を目的の一つにしている点が、ひょっとしたら、渦状腕づたいの探検の理由になってくれるかもしれません。
ですがそれは、仮にもワープ航法の類が実用化されているような時代に、なぜか沿岸航法、地文航法を主な手段として用いているようなチグハグさを、読者の皆様に与えてしまうようなことになるのかもしれません。
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コンテストに参加していてすでに締め切られている作品は、参加資格を失ってしまうのではないかが心配で、なかなか訂正できないのですが、このエッセイについては随時、訂正して行きたいと思っています。
たとえば『ウィキペディア』さんには申し訳ないのですが、やはり引用元は、確定性がある紙の文献に置き換えて行きたいなと思っています。そしてそれは、確か『ウィキペディア』さんの編集方針でもありましたよね?
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